ひろのぶと3周年。より多くの仲間と繋がるべくFUNDINNO MARKETに登録します。

2023年3月20日

2022年5月30日19時27分。
すわ刹那、27分で最大売出し数の800株が売り切れた。

田中さんは正しかった。結果が証明した。

この株式投資型クラウドファンディングを経て新たにひろのぶと株式会社の株主となった340名余とのやりとり、

新型コロナウィルス禍の続くなかで実施した第一回株主ミーティングでの150名超のご参加、

 

そして進行していた書籍の企画に対する力強い反応… 僕はひろのぶと株式会社が今後の成長発展を果たすためにはより多くの仲間=株主が必要、と思いを強くしていた。

当社設立に際し、僕らは東証上場しない/目指さないこと、そして株式の発行数上限(12000株)を決めていた。

株主を増やすにはあと残っている未発行の新株を発行するか、既存株主が持分を取り崩して、広く多くの方に持ってもらうしかない。新株発行実施は資本金が1億円こえ、当局にて大企業区分になってしまう。諸々鑑みて今は後者だ。

 

そこでFUNDINNO様とのZOOM会議にて
『御社が新たに始められたFUNDINNO MARKETに登録して、更に株主を募りたいです。どうすれば認めて頂けるでしょうか』とストレートに訊いたのだった。

『御社は、株式投資型クラウドファンディングを実施し調達目標を達成されました。公約として自社での出版物発行を挙げておられます。それを実際に遂げてもらいたいです』

『わかりました。公募にあたって年度内(~2023年2月末)に3冊、と目標を示しましたが、

できれば来年早々に、遅くとも5月の株主総会までに募りたいので、2022年内にうち2冊を発刊いたします。さすればFUNDINNO MARKETでのお取扱を検討いただけますでしょうか』

僕らはなんとしても年内に2冊、出版するのだ、ということを決めた。
決めてたことだった。が、尻に火が点いた。あの時、点かなければ出来なかったろう。

 

期限が出来てから、制作は一気に進行した。

とはいえ、全てが初体験であったゆえに

10月31日発売の稲田万里著『全部を賭けない恋がはじまれば』、

12月16日発売の田所敦嗣著『スローシャッター』の作業はすさまじいものとなった。

1ミリでも良い本を作りきるべくチーム全員の不眠不休のコミットメントを、僕はシンガポールから、東南アジア各地から目撃した。

なぜ僕らはどうしてもやらねばならなかったのか。
ひろのぶと株式会社の持続的成長と、株主の存在が輪環していることに気づいたからだ。

田中泰延の理想を実現した2冊は非常に高い品質の書籍となった。
全力で自画自賛に値するものになった。

しかしその実現にはけっこうお金がかかるということが解かった。
確かに本は損益分岐点をこえると利益率は高くなるのだが、品質を追うとその分水嶺は高い位置に動く。

つまり良い本をコンスタントに発行し続けるには厚い支持基盤が必要になるのだ。

僕たちは全く新人の、無名の作家を2名、市場に送り出すという挑戦から始めた。

しかしその初版部数は新人としては破格となった。
それは株主になってくださった皆さんが、自らの意思で、2冊の書籍を発売前からSNS上で熱狂的に支持する行為によって成り立った。

Hironobu AND Companyを持続的に成立しむるには、もっと多くの仲間に僕らの理想を共感してもらうことが不可欠、と痛感していたのだ。

 

 

*********

「本を、出したいんです」
2020年1月、新会社を設立するにあたって、社長となる田中さんはその構想と共にいくつかの要望を僕に伝えてきた。
https://katou.jp/?eid=5081

構想の… ある意味で最もユニークな特徴に 【支持してくれる人を株主にしたい。でも上場は目指さない】 てのがあった。
「小口の株主をたくさん迎えたい」という。
目の前で語る小口のイメージは驚くほどに少額で…「みんな1万円札握りしめて」などと云う。

えぇ~!そうなん。

そして、そこがけっこう譲れない点だった。どうしてもやりたい、と。

株主が多いってのはたいていロクなことがない。
スタートアップは初期の株主数はとにかく少ない方がええ、というのは鉄則や、それに亡くなったりしたら株式事務がたいへんなんや、と口を挟んでもみた。

田中さんは更に、会ったこともないような人にもツイッターで広く呼び掛けたい、とか云うとる。
いやいやそれはかなりグレーやねんて。
話せば長いが(中略)要するに厳しく規制されとるんや。

無理と感じた無邪気なアイデアではあったが、前後して新たに当局に認められた株式投資型クラウドファンディングを行うという会社が現れだしていた。

僕は株主は少ないほうが良い派なので、田中さんの無茶な要望を聞いてなければ、その情報はスルーしてただろう。
でもツイッターで見つけてしまった。調べて、僕はこれしかない、と思ったのだ。

その上で田中さんに資金調達は段階を分けてやろう、と提案した。
広く募るのは第二段階にする。
先ずは僕がこれまで手掛けてきたような大口の投資家を見つけよう、と納得してもらい、第一段階に取り組んだのだった。

 

 

資本政策は、僕が建てて実行してきた。
これまで数十のスタートアップの資本政策を作ってきたが、その骨組みはその法人の目的を為すべく企図している。

この会社の設立の大前提は【 田中泰延のための会社。田中泰延のつくりたい書籍を出版する会社。】である。
実現のための会社を作るとしたら、いくらくらい要ると思う?と
田中さんにざっくり訊いてみたら「2億円くらい」と云う。

そ、そうか2億か。

それを株式発行で調達しても、田中さんに会社の支配権=絶対シェアが維持できるスーパーマジョリティを持ってもらえばいいなと、第三者割当増資で2億円調達したうえで田中さんの持分を66.7%になるようにしよう、と決めた。大前提が崩れたら応援してくれる株主も嬉しくないはずだからだ。

2億円調達でき株主に33.3%割当てたときの、当社の時価総額は6億円なんよ、と説明した。

単純に2億円を5万円で割って…4000株を売ればいいな。
故に総発行株式数は12000株とした。

ところで、ショパンの事情で当時の田中さんはお金がなかった。
16万部のベストセラー「読みたいことを、書けばいい。」の印税は(略

会社を設立し、最初にその8000株を田中さんに割り当てようと、
ぶっちゃけ幾らあるの?と訊いたら「80万円」と云う。

え、思ったよりかなり少ないやんか。

無い袖は振れない。80万円で8000株割り当てた。1株100円や。

田中さん1人が株主の「ひろのぶと株式会社」を2020年3月17日に設立した。

東証上場しない、この会社は出口を持たない。
そして僕にはきっとライフワークになる。

田中さんが不意に死んだり、事故などで使い物にならなくなったら、僕が責任もって先に繋ぐ、と約束を交わした。

 

新型コロナウイルス禍が世界を見舞ったのがちょうどその頃だった。
4月7日には緊急事態宣言が発令された。

ひろのぶと株式会社の資金調達にこれは痛かった。
僕らが「タニマチ」と呼んだ引受をお声かけする先は、田中泰延の才能と価値を認め、応援してくれる奇特な大口の篤志家だけで行くつもりだった。
僕のドタ感では、タニマチ集めはスムースに進む算段だった…ところに新コロ禍が来てしまった。

あいたた。

田中さん自身がZOOMを通じた対話に慣れるのにも時間がかかった。
会えば、伝わるはずなのだ。
ところが会えない。だいじな話しをうまく切り出せない。

直ぐにタニマチは集まるから資本金80万円で問題ないと思ってた僕は、夏の終わる頃にはさて…どうしようか、と。

既に1株5万円で友人知人の富裕層にZOOMでお願いしてるなかではあるんだけど、いまだ実際の入金はないなかで、どうも田中さん自身に全くお金が無くなってしまったのだ。ずっと無報酬やしね。

物理的な問題が発生したこともあり、割と咄嗟に8000株のうち1600株を僕が田中さんから買うことにした。

つまり田中さんの持分の2割を、家業の丸一興産株式会社にて取得した。
取得したら最後…永遠に売却することはなさそうなので、家業名義であれば、僕が先に死んでも田中さんの支配を脅かさない指示が遺せるな、と。

9月7日、1株1000円で総額160万円動かした。

 

タニマチから1株5万円の増資引受のお振込みが五月雨式に会社に入金されだしたのは、その年末だった。
計上すらなかった田中さんの役員報酬を決め、お支払い出来るようになった。

そこから更に1年4カ月の間、第一段階の調達活動は続いた。

結果、2022年4月までに15名のタニマチに2769株=1億3845万円をお引受け頂くことができた。

第二段階=FUNDINNOでの株式投資型クラウドファンディングの準備が進みだした…年初からの伸びが大きかった。
https://katou.jp/?eid=post-6140

タニマチ各位が第二段階を応援してくれたということではなく、僕ら2人が『小口の株主をたくさん迎える』ことに対して、大きな希望と手応えを感じていたことが後半の伸びを呼んだと振り返っている。

 

*********

3度目の設立周年日となる今日、2023年3月17日。半年以上のやりとりを経てFUNDINNO MARKETにて、ひろのぶと株式会社の株式売買マッチングが始まることになった。

FUNDINNO様にとっても初めての挑戦となることも多く、ご担当の皆さまの多くの尽力を頂戴した。

今回の売出し株価は5万円。つまりタニマチの皆さま、そして2022年6月にFUNDINNOで取得していただいた340名余の皆さまの取得額と同額。

既存の株主、新規の株主ともに応募可能で、お一人につき合計10株まで取得して頂ける。

売主は僕、則ち丸一興産だ。

11%の売買手数料をFUNDINNOにお支払するので、丸一興産への入金は44500円。
取得額は1000円なので、1株あたり43500円の売却益が出ることになる。

田中さんは100円、僕が1000円、他の全ての株主が5万円で取得してきた当社ひろのぶと株式会社の株式は、今後はFUNDINNO MARKETにて売買マッチングが可能となる。

僕も田中さんも株主の皆さまと長く関わっていきたいと強く願っているけれど、人はそれぞれ皆、固有の事情を持っている。

この2月にはどうしても喫緊の要り用がある株主(7株所有)の方から買い取りの要望が会社に寄せられたので、僕が個人として買い取るということが起きた。
これから先はFUNDINNO MARKETにて手離すことができるようになる。

非上場会社の株式は流動性がないのが難なのだが、この仕組みを取り入れることで、株主の皆さんにより安心して長く関わってもらえると確信している。

応募の手順は今日付ひろのぶと公式note https://note.com/hironobuto/n/n6ca3e6f8387e がわかりやすいのでこちらをご参照願いたい。

 

ひろのぶと株式会社が【著者への印税2割。】つまり「印税率で出版業界を変えたい」という思いを実現するためにはより広く多くの株主の存在が不可欠だ。

その理想に資するべく、先ず丸一興産の持分の一部(先着にて最大1200株)をお分けする。

この会社は僕にはライフワークになるが、今回の売却によってより強い責任感が湧いている。

株主に堂々しっかり胸を張って仕事の中味を誇れるよう、引き続き社業に向き合っていく所存である。