勝ち馬に乗るのが鉄則! ASEANでの成長ビジネスはズバリ◯◯!:再掲 2013/8
『海外ビジネスコラム』寄稿の再掲4回目ですが、ここで成長の尻馬に乗ろうということに触れています(写真も2013年往時の)。
すなわち東南アジアで起業しようや、ということだったわけですが、僕個人は上手くはいきませんでしたねぇ。この記事を書いた当時、それこそクロスコープ、satisfaction guaranteed、KAMARQ、AGRIBUDDY、YOYO、などに必死に注力してたわけで、まだ結論でたわけではないですけど、御調べいただければわかりますが…苦難の連続です。
いっぽうで、東南アジアという軸でないですが「成長産業の追い風をつかむ」という観点では、この記事を書いた半年後にその存在を知ったビットコインにはのめり込みました。まさに【インターネットの次は、ビットコインだ】と確信したからこそ、のちのビットバンク設立へと繋がっています。
産業の成長とともに会社が成長していくのがベスト
成長産業の追い風をつかむことがビジネス成功の最大の秘訣です。私は株式会社日広を経営していた際にそれを肌で学びました。インターネットというものが世に出始めたとき、インターネット広告という産業も生まれました。
それはまだルールのない産業、つまり勝ち組がまだ定まっていない産業です。そうした産業に大手が参入するのは非常にリスクがあるんです。もしかしたら、問題を抱えている産業で、会社の名前を傷つけるかもしれません。
そうしたリスクをとれるのは、ベンチャー企業です。そして、その産業の成長とともに会社が成長していきます。インターネット広告産業は、一気に急成長しました。それに伴い、サイバーエージェントやセプテーニ、日広というプレイヤーたちも自然と急成長していったのです。だからこそ、ビジネスを成功させるためには成長産業を見つけることが非常に大事になります。
では日本国内にそうした産業が残っているでしょうか? 私は、日本国内でそうした成長産業のイス取りゲームのイスは急激に減り始めていると感じています。
さて、視点を変えて海外を見てみると、フィリピン、ベトナムを始め、アセアン各国はGDPが順調に伸びています。つまり、国内の市場が伸びているということです。ビジネスは勝ち馬に乗るのが鉄則。日本にはほとんどない、伸びていく市場が確実に潜んでいます。
では、フィリピンだったら何をやるか?
フィリピンだったら何をやってもいいのかというと、当然違います。フィリピンで今後急成長するであろう産業を見つけることが必要になってきます。それでは、フィリピンで何をやるのがいいのでしょうか?
私だったら、人手がかかるようなインターネットビジネスをやります。実際にオペレーターを置かなくてはいけないようなビジネスです。フィリピンのポイントは英語圏であることだからです。たとえば本当に一つのアイデアに過ぎませんが、ゴキブリ駆除のWEBサービスを世界的に展開し、そのコールセンターをフィリピンに置きます。究極の無店舗ビジネスですね。そうした全世界に展開できて、かつ人間のオペレーションが必要なものなどが成長していくのではないかと考えています。ネットサービスだからこそ、実際に話せる安心感というものが売りになってくると思います。
また、これは既に私自身が参画しているビジネスなのですが、今後アセアンでは広告産業が発展していくと思います。日本の市場はブランド広告が効きにくいと言われています。すでに国民が消費に慣れてしまっていて、個々人の傾向が固まってしまっているからです。
例えば、あるメーカーのビールしか飲まないと決めているお父さんがいたりします。違うメーカーの製品でどんなに面白いCMがあったとしても、その人の印象には残れど、そのビールは購入されません。しかし、消費に慣れていない方にとって、最初に買う車のメーカーなどは今後の消費生活を左右する重要な選択になります。そのメーカーの車を買い続けるという人がかならず出てくるからです。つまり、広告の効果が日本とは比べ物にならないほど高いのです。そう考え、私はフィリピンでSMSを使った広告会社「YOYO」の経営に参画しています。
そういう視点でアジアでビジネスをしたらどうでしょうか? 繰り返しになりますが、根本にあるのは、勝ち馬に乗ること、つまり「我々が行くから市場が伸びるのではなく、市場が伸びるから我々が行く」と考えることです。それこそがビジネスの鉄則だと思います。
初出 海外ビジネスコラム 2013年08月06日
https://www.digima-japan.com/column/market/1511.html