サンクチュアリとの合流に寄せて、経緯と想いと。

2022年3月1日、家業マルイチグループの日広マルイチと、シェアハウス運営会社の有限会社サンクチュアリが合併し、サンクチュアリ株式会社となりました。

サンクチュアリ社長である松岡伸彦さんとは、僕の箕面高校同級生で最も仲良しだった松岡孝典さんの従弟(叔父さんの子供)という繋がりで2015年7月8日に知り合いました(写真)。シンガポールに来るということで、その折に訪ねてきてくれたんですね。
で逢ったときの最初の話題が、小橋賢児さんが監督、三木裕明さんがプロデューサーのドキュメンタリー映画『DON’T STOP』(2011)。
僕が製作指揮をした映画『Fly me to Minami ~恋するミナミ』(2013)の主演は小橋賢児さんですが、彼が主役を引き受けてくださったのは、三木さんがご紹介くださった御縁から。すなわち三木さんと小橋さんは『DON’T STOP』からの関係で。
その映画『DON’T STOP』主演の高橋歩さんがサンクチュアリの創業者と。なんという不思議な縁か、といきなり盛り上がりました。(同名の著書も出版されてます)

余談ながら、寡作にして良書の出版社として知られるサンクチュアリ出版(株式会社サンクチュアリ・パブリッシング)は元来サンクチュアリ出版事業部であり、1998年にスピンオフした会社でした。

 

松岡伸彦さんは高橋歩さんのコドモの頃からの同級生=仲間で、サンクチュアリ設立(1994年4月4日)当初から事業に参画。出版事業部との資本分割の折に社長になったという経緯ですが、実際のところは会社を続けながら…2015年まで7年ほど、シェアハウス運営大手のオークハウス社員でもありました。

彼がシンガポールに来たのは2足の草鞋を終え、今後のサンクチュアリの経営について模索しているタイミングでした。

そこで!かねてより夢想していた50代以上のシングルが共同生活できるアクティブシニア向けのシェアハウスの構想を話したんですね。東京だけでなく、バンコクやマニラでやったら面白い、と熱く語ったわけです。

意気投合のままに、では持株会社をシンガポールに創って、僕はそこに出資しましょう、とトントン拍子で進行し、2015年9月19日、原田学史さんと共にSanctuary Asia Holdings PTE.LTD.を設立しました。

しかし数物件の新規シェアハウス開設に進むものの… それらはうまくは運ばず、結果的にASEANでのシェアハウス構想などという状況ではなくなってしまいました。2018年3月、総力で取り組んだ”理想の多世代共生型シェアハウス” SHIFT調布 の開業を以って、持株会社の継続を断念となり、2019年2月にシンガポール法人を整理解散としたのです。僕と原田さんは日本のサンクチュアリを松岡さん個人に譲渡し、以降は生暖かく経営を見守ることになった次第。

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2年半が経ち、新コロ禍も来て、昨2021年夏、松岡さんと久しぶりに表参道にてお会いしました。僕はそれまでの2年弱で集中して関わってきた燕三条にて、主にシングルマザー家庭向けの集合住宅を運営したい、という心持ちに至っており、その運営に興味を、いやもとい 燕三条のもつ大きな可能性に関心を持ってくれはしないか、と期待したからです。

燕三条はものづくりの町で無骨な男社会なんですわ、余所者から些か乱暴に云わせてもらうと。

ずばり女性が足りないんです。総じて外に出て戻ってこないんですね。なので社長の人口比率の日本一高い地域として知られているいっぽうで、社長はともかく、幹部も従業員も独身比率は極めて高い(2019~21年:加藤個人調べ)。

それじゃ、中長期的には燕三条が滅んでしまうじゃないですか。ぶっちゃけ過去の行政の仕業の影響も伴って、いまは女性の仕事も少ないと感じたわけです。2021年の三条市のCMO公募選出の最終選考審査員なども務めさせていただくなかで、この地域の課題は、女性にとっての魅力の少なさにあるのでは、と提言する機会もあり。

そんな場馴らしが出来てた状況で松岡さんに対して、既に前年2020年から 本社をエキラボ帯織に移していた日広マルイチと合併して、新しくサンクチュアリをやっていこう!と提案したのです。勿論いま首都圏で運営しているシェアハウスは全て継続する前提でいいので、新しい物件開発を燕三条でやらまいか、と。

とはいえ、いますぐにサンクチュアリが燕三条でやれる仕事はありません。中期的に『創る』イメージです。ではそれを仕込んでいる間、どうするのか。

僕は松岡伸彦さん個人に対して三条市の『地域おこし協力隊』にもなるというアイデアも提案し、これも進めることになりました。ミッションは、首都圏からのシングルマザーの移住促進です。達成のために、首都圏で三条市のアンバダサー活動=シングルマザーにどんどん移住をアピールし、生活を案内し、実際の引越しをサポートしていきます。

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と!いうわけでこのたびサンクチュアリ株式会社となりました。合併法人では松岡伸彦さんが社長を務めます。(合併に際しての松岡さんの想いはこちらです。) 同時に松岡さんは4月から三条市の地域おこし協力隊として任命される運びです。活動を通じて、いまドッツアンドラインズが制作している燕三条の地域情報を発信するサイトSANPOSTやEkiLabチャンネル、twitter、Facebookページから全世界の皆様、とりわけ首都圏のシングルマザーの皆様に向けて魅力的な情報を発信していきます。どうぞよろしくお願いいたします。

 

追記:三木裕明さんは、僕がリョーマの仕事でちょいちょい東京に来てた頃(1988~)からの先輩です。リクルートコスモス新卒入社→メディアファクトリーそしてIMJエンタテインメントを経て、現在の三木アトリエを設立されています。

2012年の秋、僕が映画作るってFacebookに宣言したら…不憫に思ったのか助け舟を出してくれたのが三木さん。『恋するミナミ』でプロデューサーをお受けいただいて以降10年以上、参画先ダックビル・エンターテイメントに関わっていただいてます。