Hi-Soな高田健太さんが黒船に臨む者になるのが楽しみです。

2021年10月1日。遂に緊急事態宣言、まん延防止等重点措置 の体制が全国一斉に終了。

「時間が巻き戻ったかのような気がするんです」
大阪の、東京の、新潟の仲間たちから平静を取り戻したような報せが届いています。嬉しいな。

2020年3月に始まった新型コロナウィルス禍、このまま潮が引くように終息していくことを祈ります。

僕も前を見て、これから先のことをひとつひとつ進めています。どの参画先も手ぐすねひいていたのです。反撃に出なくてはなりません。

それに僕自身が主体として汗をかくしかないことは家業マルイチグループのことがあります。とりわけ去年3月からピタリと止めざるを得なかった、クアラルンプールでの金太郎細胞点滴ご案内再開は可能な限り最速で進めたい、と思っています。

 

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一方で、この1年で180度計画を改めなくてはならなくなった参画先もありました。

ミャンマーで展開していたフードデリバリー事業Hi-Soです。このブログで営業の無期停止をお知らせしてから早5カ月が経ちましたが、ミャンマーの足元の…凄惨な状況は深まる一方であり、光がみえません。

あんなにも可能性を感じていたミャンマーが、僅か一年で何もかも変わってしまいました。
35年も… 様々な事業に関わってきましたが… クーデターという滅茶苦茶なことは比類がなく、今も悪夢をみるような思いなのです。

Hi-So PTE.LTD.の資本と経営に参画しました。(2020年1月23日)

丸紅の駐在社員時代から立ち上げていたトゥーン・カイン(愛称)facebookページを足場に、独立後も首都ヤンゴンにて、ミャンマー語⇔日本語の翻訳や日本企業のプロモーションサポートなどを展開してた高田健太さんと知り合ったのは2018年9月のことでした。

その折に聞いた ヤンゴン市内ではバイクが規制されていて走れない、という特殊状況を活かしたデリバリー事業のアイデアは僕の好奇心を射抜きました。
デリバリー事業は正直言ってもはや2周回遅れだけど、それなれば勝機はあるかもしれない。

僕はCROSSCOOPをシンガポールで始めたときの相方である関泰二さんに一緒に参画しないか、と声をかけました。で、間もなくシンガポール持株会社の設立と参画の発表に至ったのです。

そして、いよいよシードラウンド増資に臨もうとしたとき、新型コロナウィルス禍に見舞われました。
これには参りました。事業面ではむしろDXを加速する側面もあったのですが、世界同時のロックダウンで、投資家に会いに行けない、と人生初の事態。

なんとかと慣れないZOOMプレゼンをいくつもこなしたものの、やはりさすがにミャンマーには皆さん行ったことがない…。ラウンドの調達目標額や株価、出資をお願いする対象を変更し、一年かけて払い込みの段取りが全て整ったのが、昨年2020年12月でした。難産でした。
(僕は実際にヤンゴンに来て、街の鼓動と勢いを目の当たりにすればなんとかなるだろう、とタカを括っていたので大誤算でした。)

 

調達した資金でヤンゴンのフードデリバリー市場で、アタマ一つ、いや二つ抜けられる勢いを感じていました。2021年はミャンマーで大人気を誇るアーティスト・俳優である森崎ウインさんにブランドアンバサダーに就いていただき、ヤンゴン一円の店頭を看板が飾る段取りが出来ていました。メンバーの士気も大いにあがっていました。

矢先の2月1日のクーデターだったのです。体験したことのない…未曽有の緊迫が押し寄せてきました。そんななかでリーダー高田さんはよくやりました。ギリギリまで知恵を絞り、事業とメンバー、顧客、提携各店舗を護っていました。

苦渋の無期停止の決断となりましたが、5カ月経った…今のヤンゴンの状況をみれば、その選択は間違ってないことは自明です。

ヤンゴンのフードデリバリーHi-So無期限休業のご報告(2021年4月28日)

高田さんは蜘蛛の糸を伝って、4月9日に日本帰国しました。
そして引き続き隔週で関さんと共に定期ZOOMをやりながら、広げた風呂敷を畳みつつ、これからのことを一緒に考えてきました。

アイデアはミャンマーで或いはミャンマーに関わって、取り組めるあらゆる事業について議論しました。
また全く別の可能性も話し合いました。
仮想通貨、ブロックチェーン、メタバース、Play to earn、再生医療 、シンガポール、MBA、人生の意味について…etc
感染対策をめちゃ取った上で3度、表参道で逢いました。毎回、数時間に及びました。

 

検討の果て、彼自身が出した結論は 「黒船に」臨む者となること

黒船を叩き、黒船を育て、自ら黒船となる。(高田さん自身のブログ / 2021年10月4日)

https://kenta-takada.com/kurofune/

・menu株式会社の社長室 室長 / Chief of Staff
・愛知県スタートアップ推進事業でのプロジェクト統括マネージャー(メンター)
となりました。すばらしい選択です。

 

僕はこの先の高田さんの行く末が楽しみでなりません。生きて其れを見届けたいものです。

Hi-Soの無期休業は続きますが、僕らは当面、法人を休眠させ(僕もシンガポール在住役員を続けて)刻を待ちます。そして願わくば、ミャンマーに再び平和な日々が戻るのも。