スポンサードサーチ、その可能性と未来 |宣伝会議 2004年7月号
勝手に文字起こし=デジタル化 する自身のインタビューシリーズの第四弾は、日本の広告界にお ける唯一無二の業界誌『宣伝会議』 2004年7月号に掲載された記事のうち加藤の発言だけを抜き書 きいたします。93ページ~99ページまで展開した特集「 インターネット広告の転換期を迎えて~スポンサードサーチ、 その可能性と未来~」 はオーバーチュア株式会社によるペイドパブリシティ( 記事体広告)前半5ページはアウン信太明氏、 アイレップ高山雅行氏、セプテーニ佐藤光紀氏及び僕が、 インタビュアの質問にお答えしていく座談会形式となっており、 後の2ページ見開きでの同社アピールに連なっています。
1997年以降、ヤフーの検索内容に連動して広告を表示する『 サーチワードバナー広告』 の販売ではずーっと日本一の販売ワード数を誇っていた日広。 往時のキーワード広告は1ワード1社の独占表示。 単価は小さいですが、 一度ご契約をいただくと解約されないストック型の商材で、 日広の看板提案でした。 残念ながらヤフーに商品自体が見直されてしまった2001年 (それまでは1社だけバナー広告が出る仕組みだった) 迄にキーワードだけで60社以上2000ワード以上のお得意先を抱えていました。
かたや並行してハイパーネット、アスキーのe-Sekai、 インターネットナンバー、ファンコミのズバケン、919サーチ、 Jword… 僕はキーワード広告以来、 検索連動型の広告ビジネスについては長く試行錯誤を続けていまし た。
なかなか次の決定打がないなかで、 2001年に米国で発見したのが ”Overture”のスポンサードサーチでした。『これや、 これやがな!』 僕は米国Overture社に連絡を取り、日本での展開を打診。 程なく先方から紹介をうけたのが、 同社日本法人の代表となっていた鈴木”Sig” 茂人さんでした。 https://ascii.jp/ elem/000/000/333/333825/
何度となくSigさんと打合せを重ね理解を深めていくなか、 2003年初頭に日本でもサービスイン。 実際のOvertureスポンサードサーチ運用に手を付けていく なかで、我々のようなインターネット広告の”運用” に特化した知識や経験のある” オーバーチュアプロフェッショナル”が必要であること、 すなわち広告会社というミドルマンが要ること、 そしてその販売者、運用者のためのしっかりとした教育研修・ 認定制度があったほうがいいい、という結論に達しました。 その結果として同年9月、 オーバーチュア株式会社の下拵えのもと、8社の”運用型広告” のプロ代理店による『オーバーチュア推奨認定代理店協会』 を発足し、協会の会長に就任することになったのです。
『宣伝会議』社は、日広が1999年~ 2003年にオフィスを構えていたル・ボアビル( 表参道駅A4出口の真裏)のから一角入った徒歩30秒にあり、 往時はよくお邪魔していましたねぇ。日広の社員研修・ 幹部研修を何度もお願いしたり、 小生の駄文の寄稿も何度かしたり。 そういえばシンガポールに移り住んで暫く経った2014年、 同社の社屋にて事業構想大学院大学のメンバーサロンの皆様を対象 にウミガメ講演をやらせてもらう機会を頂きました。 そちらはこのようにデジタル化されています。 よろしければ合わせてご笑覧ください。 https:// www.projectdesign.jp/201409/ salon-speech/001609.php
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インターネット広告の転換期を迎えて~スポンサードサーチ、 その可能性と未来~
インターネット広告の方向性が模索される中で、 アメリカから生まれた検索型広告が活況を呈している。 オーバーチュアが展開するスポンサードサーチもそのひとつ。 主要ポータルのキーワード検索結果に登録サイトを表示。 しかもそのキーワードに対してより高いクリック単価を設定したサ イトが上位に表示される仕組みだ。 優良な見込み客と登録サイトをマッチングさせる、 一歩先ゆく広告手法だ。
昨秋には、この新しいビジネスモデルをプロモートすべく「 推奨認定代理店協会」が発足。今回は会長他、 要職についている4社にお集まりいただき、 スポーンサードサーチをはじめ、 これからのネット広告のあり方について語ってもらった。
ーーーー まず最初に、自己紹介をお願いします。
加藤 : 弊社日広は、平成2年8月設立で現在12期目、 社員は約70名の会社です。一般広告業務からスタートして、 平成7~8年からインターネット広告を扱い始めました。 現在はPCモバイル広告の売上げが80%位、 月商は約5億円強です。
ーーーー 早速ですが、 ネット広告の中でも最近注目を集めているオーバーチュアの検索型 広告とは、御社のなかでどういう位置付けになりますか。
加藤 : もはや検索というプロセスは不可欠ですから、 これは普遍的なマーケットになると思います。 私の家族などは新聞本紙よりも折込広告を見て日々の生活の意思決 定をしているようなところがありまして、 生活者の情報源という点では、広告は十分に価値を提供している。 この検索型広告でも、今日は特売日だからという感覚で、 伝えたいことを思い切って高い金額で入札すれば上部に出せるとい うのは、 まさに折込広告が果たしている役割と同じではないかと思っていま す。
ーーーー クライアントの反応はいかがですか。
加藤 : 私どもが感じるのは費用対効果の質が変わってきたということです 。まず昔のクリック保証とか、 インターネット用語でいうCPAなど、 そういうものに興味のあったお客さんがシフトされているというこ とです。一方でネット広告では強いイメージ訴求が難しいですし、 やはりTVや大型屋外広告にはかなわない。 しかしそういった強いアピールを展開している商標や会社名などの ブランドは、 同時に必ずインターネットで数多く検索されています。 従って最近は大規模なプロモーション展開を行うナショナルクライ アント様には、 スポンサードサーチがブランディングツールになってきているので メディアミックスを強くお奨めしています。反応は上々です。
ーーーー さて、 昨年秋にオーバーチュア推奨認定代理店協会を組織されたとのこと ですが、 その活動内容やメリットなどお話いただけますか。
加藤 : ここにいる4社プラス4社、計8社で組織しています。 2003年9月のスタートです。もともと競合同士ですが、 オーバーチュアの鈴木社長が、 新しいビジネスモデルであるがゆえにムーブメントとして盛り上げ ていかねばならないということで音頭を取ってくれました。 積極的にプロモートしていく広告会社が共通で持つべき問題意識は 何か、もっとやりやすくするためにはこうするべきでは、という、 もの申す会のような存在です。普通は競合で集まって何かするというのはあまり考えられませんが、意志統一もできてかなり意義深いものになっていると思います。
ーーーー 具体的な問題意識とは何でしょうか。
加藤 : ”HOW”の部分、まだまだスポンサードサーチは奥行きがある、これをどう認知・啓蒙していくかということですね。
アメリカでつくられているテクノロジーをどうやって日本で信用性の高いものにしていくか、直接開発担当者に来日していただいてお話を伺ったり。われわれはベンチャー企業の集まりですが、ある意味オーバーチュアさんからお墨付きというか、商標シールをいただくことで営業がスムーズになっている要素もあります。
ーーーー プロフェッショナル制度というものがあると聞きましたが。
加藤 : 実際、スポンサードサーチはわれわれ8社からしか買えないかというとそうではありません。ただ、これからより専門的になると「より理解度が高い、習熟度の高い代理店から買った方が安心ですよ」という裏付けになる制度です。個人に対して認定され、写真入りのカードが配られます。営業的にコンサルする能力ではなくて、運営管理の仕組みを正しく理解して説明できる能力を証明するものです。
ーーーー 最後に、推奨認定代理店としてお客様に提供できるメリットについて聞かせてください。
加藤 : 協会ができたことで「質の競争」が全体の底上げになっていると思います。推奨認定代理店というポジションで、習熟度を高める教育をしてもらえるし、得意先にもそういう約束ができる、それがメリットでしょう。
当社としては、オフラインの雑誌や交通広告のプランニングに、こういったオンラインマーケティング、インタラクティブマーケティングをうまく折り込ませていけるのが、お客さんに対してのメリットになっていると思います。
ーーーー どうもありがとうございました。
推奨認定代理店 (2004.7)
株式会社アイレップ
アウンコンサルティング株式会社
株式会社オプト
株式会社サイバーエージェント
株式会社スパイスボックス
株式会社セプテーニ
トランス・コスモス株式会社
株式会社日広
Ⓒ 宣伝会議 2004.7