日本企業のアジア資本化のチャンスがきた

2020年4月18日

中国に行き来するようになって、さまざまな方から兎に角よく言われる日系企業のアジア成功のキーワードが「現地化」です。

すなわち
・現地の人を雇いなさい
・現地の人をマネジメント層に加えなさい
・現地の人に経営を委ねなさい
・中国資本を資本にとり入れなさい
・中国の資本にマジョリティを持たせなさい・・・
という助言です。

実際に経営者やマネジメント層を中国人にして成功している企業は多いです。

また日系独資による進出企業も中国での展開が上手く行っている会社ほど、幹部・管理職に中国人の皆さんを上手く組織に組み込んでいるようです。

コカコーラやマクドナルドがなぜ中国で非常に上手くいっているのか、ということについて中国の人々が可口可楽麦当労を中国産だ、中国企業だ、と思っている人が多いからだ、という説明を 先日 中国系シンガポール人から聞きました。ううぅむ。
(加藤は実際の経営幹部が、中国人なのかどうかは存じ上げないですけど)

付加価値商材や嗜好品、高級アパレルなどは外国産のほうが好感されることもあります。まさに70年代の日本における「クルマ、時計、万年筆、ウイスキーは舶来に限るよな」ってとこです。
が、コカコーラほどの日用消費財にもなると、逆に中国製(自国産)ムードの親しみやすさが、本当の意味でのブランド形成につながるようです。これも70’s Japan。歴史は繰り返してるんですな。

そして私はいま中国の国民が自国企業の経営や品質、サービスに、世界水準を求めているメンタリティを感じてます。

あの世界ナンバーワンのブランドであるIBMからThinkPad(パーソナルコンピュータ)事業が、2005年に連想集団=レノボによって買収されて以降(製品自体にはさしたるイノベーションは殆どないにもかかわらず)とくに中国本土において猛烈にシェア&実売を伸ばしたのは、ある種のナショナリズム(中国の企業が世界一ブランドを買収したんだ!)という自尊心を刺激したことが大きいと思うのです。※

だから、そんな折に日系企業が現地化の努力をせずして、いつまでも日本式、日本人によるマネジメントにこだわった果てに、中国市場に、中国人に、受け容れられてないとすれば、ある意味、自業自得ではないでしょうか、と日頃お伝えしています。

加藤は「日本企業のアジア資本化」を夢想していますが、それはアジアにおいて日本式の経営を日本人独資によってそのまま根差そう、とすることではありません。

むしろ真逆で 経営そして資本も、アジアのそれを取り入れ、日本の企業というより、アジアの企業になっていこうと行動していくことが肝要だ!と思っています。

なぜなら日本人株主、日本人経営者のままでは、いつまでたっても外国の会社、部外者、お客さん、カモネギ異邦人 のままになるからです。身内の輪には来世紀になっても入れません。

とくに日本国内の高齢化・ジリ貧内需とともに壊死しつつある内需依存企業は、これからは輸出等による間接市場参加ではなく、円高を活かしてアジア各国に直接、独資や合作による資本投下をするとともに、日本の本社本体にも中国やインド、シンガポールなどで手を組む合弁相手の資本を直接、第三者割当等で注入してもらうべきだと考えてます。

かの国の皆さんを外から標的にして儲けるのではなく、実際に消費の場にいる現地の方々にも会社所有者(身内)の一部になってもらうのです。

中国などにて地域合弁会社をやってる間は、相方は合弁の一方のローカルパートナーに過ぎず、駆け引きの相手や腹の探りあいの域を出られないケースが散見されます。

が、日本の本丸そのものに資本参加してもらえば、相方は大株主としてのステークホルダー(利害関係者)となり、そういった猿芝居は徐々に不要になっていくのではないでしょうか。

また経営層も派遣してもらえれば、進出先のマーケティング・ローカライズについても裏表ない闊達な議論が図れるでしょう。(ことごとく原理原則が違うので共に経営するのは凄いストレスになるのですが)

資本構成や役員構成でアジアからの資本・人材を取り入れるべきだと考えているのは、そういうことであります。株安の今こそ、かの地の資本を取り入れるチャンスでは!。

まだまだ事例少ないですが一例を挙げると、アブダビ投資庁から20%の投資、2人の役員を受け容れてるコスモ石油などがこれにあたります。

2006年には、身の丈ほどある英ピルキントンを買収した日本板硝子 といった胸の透くよなケースもありました。
日本板硝子はその後ピルキントン出身者を中心に代表執行役社長兼CEOを含む外国人を取締役(常勤役員8人のうち4名)・執行役員(23人中12人)に選任しています。

つまり実質は、合併であり企業融合であったということですね。
この規模の買収になると、もはやどっちがM&Aにおける主でどっちが従でというのはスキームでしかなく、その先に実現したい会社像のためのプロセスと考えたほうがいいということです。
(もちろん買った買われたというのは情緒的&IR的には重要なので、実行時の見てくれや見せ方は大事ではありますが)

とはいえ
大多数の日本の会社は、モノいう法人株主も経営陣も、日本企業・日本人ばかりです。まるで鎖国が如く。マクロではこれだけ外国人持株比率の高い日本市場において、この異常がきわめて長い間続いています。

この日本のいきすぎたナショナリズムを外国資本・人材の参加融和の方向へ、グローバル経営のベクトルへ、と示していくだけでも、そして誰もいなくなった日本株式への投資家呼び戻し策になるはずだと考えています。

※ ところで全く同じ理由で、インドにて、かつての宗主国であった大英帝国のシンボルともいえる Jaguarをインドを代表する企業であるタタ・グループが購入したことは、レノボ同様にインドおよび世界中に散っているインド人の愛国心自尊心を大きく刺激すると思っています。いやーJaguar伸びそうですね♪