赤木さん、シンガポールから日本に刺激が与えられるか 挑戦します
2000年8月22日、加藤には心底驚いたことがありました。
前触れもなく、見ず知らずの人からメールを戴いたのです。
—– Original Message —–
From: Yorihiko Akagi <akagi@galileo.co.jp>
To: katou@yorihiko.com
Sent: Tuesday, August 22, 2000 7:27 PM
Subject: はじめまして
突然メールを差し上げる失礼をお許しください。
私は(株)ガリレオの赤木順彦(よりひこ)と申します。たまたま、御社のホームペ
ージを拝見していたら、同じ名前の方が社長でビックリして、ただその勢いでメール
を書きました。これまで、「順彦」と書いて「のぶひこ」さんはお目にかかったこと
があるのですが、「よりひこ」さんははじめてです。
弊社はCNET Japan、HotWired、Internet.comの制作などをおこなっています。
http://www.galileo.co.jp/
また何かございましたらよろしくお願いします。
失礼しました。
赤木順彦 KKガリレオ | http://www.infostand.com |
—– Original Message —–
(原文まま)
今でこそこんなことはある意味当たり前なんですけど、ネットを通じてお友達ができたのは、そのときがホントに初めてでした。
2つ年上の赤木順彦さん。
なんかこのひろ~い世界でたった一人の、下の名前がまったく同じ僕を見つけてくれたことが、本当に嬉しかったんです。パソコンの前で瞳が微笑んじゃった♪のを今でも鮮烈に覚えています。
すぐにドメイン蒐集という互いの共通点がみつかり、まず赤木さんからwww.koukoku.comのドメインネームを無償でお借りするところからお付き合いをはじめました。(今でもNIKKOのホームページにリダイレクトさせていただいています)
彼は何冊もの著書を通じてインターネットの普及に努めて来られた、ネット黎明期からのオピニオン・リーダーでした。またc|net、Hotwired、internet.comといった海外ニュースサイトの国内提供を、インターネットを活用して裏側で支えるガレリオという会社の創業者でした。
こよなく愛する長野県上田市にて職住を共にすることに徹底的にこだわり、そんな自らのライフスタイルをもって、強く提唱するインターネットによって実現するユビキタス・ワーキング/バーチャル・オフィスを自ら体現する行動の人でもありました。
たまに東京でふたりして呑みに行くたびに「商売をするのなら東京でなきゃいかん!」と持論を暑苦しく力説する大阪人の加藤を前に、受け容れつつも己の信念を丁寧に伝えてくれる彼のことが、とても好きになりました。経営論をめぐって禅問答のような応酬になったことも何度かありました。04年に社長になられた三菱商事の小島順彦社長に「順彦(よりひこ)社長会を作ったから入ってください」とメールで突然連絡する計画も呑み屋で立てたりしました(未遂)。
いま思い起こせば そんな過程で、私は彼からメールマガジン・ビジネスのことも、国を跨いだ翻訳サービスのことも、ブログのことも、初めて教えてもらってました。
先々月(9月中旬)には、Skypeにてシンガポールと長野を繋いでいろいろとお話ししました。
東京で働くことにこだわり続け、赤木さんの生き方には偉そうに反目してた加藤が、あろうことか家族ともどもシンガポールに移住して、日本に刺激を与えるのだ!と、どこかで聞いたようなことをほざいてる有り様ですから、大笑いです。
そして、お互いにこれからの再スタートを期すとともに、いつか日星を跨いだビジネスを検討しようぜ、と。
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そんなかけがえのない赤木順彦さんが、10月4日、43歳の若さで急逝されました。
あまりの突然の訃報に茫然自失となりました。まいりました。
それからコトバが思いつかず、今日まで誰にもこのことを伝えることを出来ないままでいました。
今日、11月末に行われる「偲ぶ会」に参加させていただく連絡を、実行委員の方にご連絡させていただきました。
事実を受け入れ、向き合い、東京に逢いに行くことにしました。
赤木さん、シンガポールから日本に刺激が与えられるか、挑戦します!
赤木さんのように、世の中に変化を起こせるよう頑張ります。見ててくださいよ。