京都一期一会。想ひ出。

2020年2月15日

 
前日からIVS京都に参加していた昨年末12月8日深夜のことです。

祇園にて同じくIVSでご一緒だった皆さんとひとしきり懇親を深め、気持ちよくほろ酔いで、タクシーを駆って清水寺に取っていた宿に向かいました。

お金払って下車後、前にあったコンビニに入って、ペットボトルの水を持って、レジに行くと、、、あれ?カバンの中に財布が無い。
上着のポケットにも、ズボンの後ろポケットにも無い。

さっきタクシー降りた時は、ちゃんとお金払って降りた。

でも、
降りた場所の真ん前にあるコンビニで、お金払おうとしたら、財布が無い。

あわてて、支払いをキャンセルし、コンビニの外へ。

カバンをひっくり返しても、ない。
コンビニの前の道の上にも、ない。
タクシー降りたあたりの路上にも、ない。

えーーーーーーーー!

これはもしかして、生まれて初めて財布落としたか。

しかも、よりによって、今日か。

実は、直前に寄った香港にて、けっこういい財布(某H社の長財布)を買ったばかり。
その財布には、これから正月を迎えるにあたって、要るかな、と思って一か月分の生活費遊興費を引き出して入れたばかり。
珍しく・・・30万近く入っていました。

うーん、これは不味い。

ていうか、キャッシュカードも、クレジットカードも、シンガポールのID(住民登録カード)も、日本の免許証もみんな入っている。

取り急ぎ、ホテルは事前にとってたので現金は必要ないけど、明日の朝、早くから明石なんだけど、どうしよう。ていうか、どうすんだよこれから。

とか、酔っ払った脳味噌に一気にネガティブな思考が充満し、気持ち悪くなりました。

・・・頭が痛い。

それにしても、なんというマヌケぶり。いい気になって祇園で酔っ払ったバチがあたったか。

呆然とただ清水のコンビニの前で立ち尽くして、、、、5分。

そのままいても建設的でないので、コンビニの店員さんに近所の…東山警察署を聞いて、とにかく紛失届けを出そうと急ぎ、提出しに行きました。

手続きを終えて、ホテルに戻り、床に着く頃には、もう深夜4時ごろになっていました。

(財布はたぶんタクシーの中だろう。領収証もらっておけば、こんなことにならなかったのに・・。残念だけど財布はきっともう出てこない。朝起きたら先ずどうやって明石に移動するのか、を考えなきゃ・・・)

薄れゆく記憶の中、とにかく頭が痛かったのを覚えています。

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翌朝は、自分の電話の音で目が覚めました。

(もう朝か)
さっき寝たような感覚のまま携帯の画面を見ると、まだ8時前。しかも見知らぬ電話番号が表示されています。

(あら、電話かかってきてんだ)

「はい、加藤です。」

「東山警察ですけど、さきほど紛失届け出された財布が届きましたよ!」

!!!! 
(おわー。出てきた。すごい。最高だ。奇蹟だ。神様ありがとう。)

電話口にて、事情を聞くと、なんと昨夜寄ったコンビニの3件隣りの民家の玄関に、朝落ちていたそうです。その家の方が朝のお忙しい時間に、出勤前に届けてくださったということでした。

つまり恐らくは、僕がお金払ってタクシー降りて…カバンに押し込んだつもりの財布を足元に落とし、それを自分で蹴って、その方の玄関前にまで飛ばしてしまったということなのではないか、と推測します。

(なんと有り難い。拾って、その足で警察に届けていただいた方は、まるで神様のような御心の持ち主に違いない)

お届けいただいた、その方は通勤前のお忙しい時間帯の合間に、警察に寄っていたので、すぐに警察を出なくてはならない、ということでした。
僕は警察の方に、お礼に、財布から一割ちょいにあたるお金を抜き取ってお渡しいただきたい、とお願いしましたが、規則につき出来ないと断られました。

京都の市井の人の、こころの暖かさ優しさ素晴らしさに触れて、超胸熱な朝。ご先祖さま、ありがとう。」

すぐに東山警察に飛んで行き、拾い主の方の情報を戴きました。

・・僕は朝のお電話にて、直接お礼をいった際にお礼をお振込したい、とお伝えしたのですが、固辞されていました。

がどうしても気持ちをお送りしたかったので、明石へと向かう前にそのままJR京都駅前の伊勢丹に寄り、タオルセットと商品券をお送りしました。

世の中には
信じられないほど善い人がいるものだ。
いや、そんなにいるはずがない。
ここが京都だからなのか。京都だから善い人がいるのか。
でも俺は京都はいけずがけっこう多いことを知っているww。

つまり、これは偶然だ。奇蹟だ。
俺はとんでもなく幸運なのだ。ばんざい。

とか思いながら、京都を去ったのです。

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東京に入って、しばらくしたら、その拾い主の方から僕からのお礼(タオルとか)が届いたというお手紙、が届きました。

拾って届けて戴いた方は、四代涌波蘇嶐の奥様の まどかさん という御方でした。
やはり世界の京都で、高次元の藝術を生業とされている方は、御心が清いというか、澄んでおられるというか、、、うまく文字になりませんが感激です。

清水の わくなみ工房にて陶芸教室も開催されていますた。
なんか焼き物を愛でる感性とか、ぜんぜんない僕ですけど、すごく良いもののように見えてきましたww

そしてtwitterのmensionも届きました(笑)。
ブログにご紹介してよろしいか、やりとりさせていただいたり。なんか新しいな 汗。

拾い主の、まどかさんは工房のブログも書かれていました。伝統工芸もITでコミュニケーションです。

そうそう、このブログにもあるように
来月5月14日(月)~20日(日)に、その四代涌波蘇嶐さんの、京都の京都府立陶工高等技術専門校の同期5人の皆さんによるグループ展「やきもの五人展」を東京の京橋にあるギャラリーくぼたにて開催されるということです。

僕は5月19日に観に行こうと思っていまーす!。お礼を直接お伝えさせていただくのが、とても楽しみなのです。