私も履歴書 5 |運転免許合宿+学生ツアー 1
『運転免許合宿って、大学生協やLマガに載っている広告のような、あれですか? さなさん、実は僕も春休みにそれで免許とったんですけど…』
『せや。でも俺らが売るのは運転免許合宿に【学生ツアー】をくっつける新しいタイプや。免許取得の合間にビーチに行ったりダイビングしたり、スキーしたりするねん。』
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数ヶ月前に参加した、新入学時のサークル・同好会の説明会で一番多かったジャンルは、当時『オールラウンド』と言われた、遊びサークルでした。
ま…要するに学生同士で、主にテニスやスキーや呑み会をやる、たまに合宿と称した団体旅行に出る、というのがサークル活動の大方です w。
そしてそれらの多くは関西学院大学内だけではなく、近隣の松蔭女学院、甲南女子大、神戸女学院大にもサークルのメンバーを募っていました。
前述の通り、僕自身は入学当時、それらのサークルに参加することには興味が全く湧きませんでした。
しかし80年代後半のあの頃、大学の校門前や梅田や三宮の駅前にてかなり大々的かつ継続的に女子大生たちに向けて配布されていた、夏の海水浴ツアーの旅行会社の大半が、元来そういった『オールラウンド』サークルを原型とした経年進化(?)によって生まれた営利団体である、ということを夜のミナミで見聞きして、徐々に関心を持っていくようになっていました。
そして実際、さなさんがマハラジャのVIPカードを与えていた人の中にも、この【学生ツアー】と呼ばれた旅行会社の経営層が多く含まれていました。
パーティツアー、マリオツアー、ホワイトベアー、バケーションシステム、、、、どの団体の幹部もみな若く、羽振りもよかったものです。
そう、それはもはやカイシャでした。商売です。
彼らは、旅行目的地である沖縄や奄美の離島、日本海に駐在・添乗するツアースタッフになりたいが故に、毎朝毎夕の登下校時に女子大前や梅田・三宮で旅行パンフレットを一切無償で配る大学生スタッフを組織していました。
学生たちはパンフをたくさん配れば、ツアーの添乗員や駐在員として配置されるのです。
ツアーに添乗・駐在すれば、現地にてお客さん(当時、メイトと呼ばれていた。ほぼ全員、女子大生)にチヤホヤされる、という仕組みでした。…お金は得られないけどモテる、みたいな。単純ですが…あまりに合理ですww。
売上げ=お金は幹部が総取りしていました。この学生ツアーが、儲かっていた。そして人気もあったのです。
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【運転免許合宿+学生ツアー】
さなさんの発想は、きっと、そんな学生ツアーのリーダー=経営者であった彼らとのやりとりのなかから生まれたのでしょう。
…確かに。それは面白そう。
後半の実技教習の期間になると1日に2時間しか乗車できず、、それ以外の時間はマージャンをやるか読書するか、ぐらいしかやることがなかったことを思い出しました。
さなさんは更に教習所に併設されている合宿所が、実際に行ってきた僕ら卒業生から"汚い、暗い、怖い"など、評判が悪いことを知っていました。
…そして、さなさんはそんな合宿での免許取得コースを実施している自動車学校を【運転免許合宿+学生ツアー】のコンセプトで既に営業に周っていた、と言うのです。
「えー!そうだったの。それ面白いですやん、真田さん。」
だってさ、半年前の、僕の心境そのものぢゃないですか。
どーうしても免許とりに行きたい、そんな高校3年生のキモチ、俺もよく解るやんか。
※後になって知ったことなのですが、自動車学校の教習所の所長というのは警察署長の天下りポストと決まっているそうで、、、、よくそんなお堅いところに、そんな浮き足立った企画を持っていってたものです。(笑)