アジア内需に挑む日本の消費財企業 1 ■日本の高齢化メガトレンド

2022年3月8日

きっと、どこの主要国にもあるのだろうと思うのですけど、シンガポールにも日系企業を会員対象とした日本商工会議所があります。
法人・個人あわせて719 (2009年4月現在)の会員がいる、このシンガポール日本商工会議所(JCCI Singapore)の組織の目的は

1 日星間の経済交流を促進
2  シンガポールにおける日本企業の発展に寄与すること
3 会員相互の交流・親睦を図ること となっており、

具体的には
地元社会との対話促進、経営環境改善への努力として
・意見、要望活動
・ 地元政府機関・経済団体に本所代表を派遣
などを主な活動内容と挙げられています。

で、実際にどんな方々が奉職されているのか?というと、さすが!アジアの橋頭堡であり、パンアジアの統括本部、そして持ち株会社設置ロケーション人気No1のシンガポールだけあって、理事の皆さんの顔ぶれは日本企業オールスターの様相を呈していました。

つまりこの地において(少なくともシンガポールの)在外の日本商工会議所に所属している法人とは、
日本本社の企業の支社・支店・営業所 が主要でありまして、②日本法人と並列(非・親子企業)な法人や、③在シンガポール法人こそがオリジナルであり本社・本体という企業は、マイノリティなんですな。
(・・・・中小企業のオヤジ歴20数余年の加藤にとっては意外でした)

全会員企業の一覧を拝見したわけではないのですけど↑②や③は2割程度だろう、ということです。

さて!そんな本流というか、由緒正しいといいますか、エスタブリリッシュされてる顔ぶれで構成されているシンガポール日本商工会議所さまから先般、有難いことに毎月発行されている会報誌「月報」への寄稿の依頼を受けました。光栄至極。

ということで、4回に分けて「JCCI月報」2009年7月号に掲載していただいた拙文「アジア内需に挑む日本の消費財企業~国内高齢化を乗り越える 独資或いはJV勝ち組の共通点~」を一部改稿して、ご紹介いたします。よろしくお願いいたします。

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アジア内需に挑む日本の消費財企業

 ■日本の高齢化メガトレンド

筆者は昨年7月、東京表参道にて16年間経営していた広告会社(株式会社NIKKO)をGMOインターネットグループに譲り、同時にシンガポールに生活とビジネスの拠点を移しました。

経営から身を退いた理由は、ひとことでいうと『経営不振』なので、とても自慢できたものではないですが、同社にてインターネットを活用した企業のマーケティング支援に取り組んできた中で、とくに2000年以降
① 若者が相対的かつ絶対的に減っていくので広告の仕事は今後減っていく
② 日本だけをマーケティングの対象とした企業の広告活動は今後減っていく
ことは漠然と確信に近いものを持っていました。
故に、中長期的にも広告業の経営は困難になってくるとみていたのは事実です。

この考えのベースには「少子高齢化社会の顕在化」「グローバル経済の進行」という確たる日本のメガトレンドがあります。
国立社会保障・人口問題研究所によると日本の総人口の減少は2005年から始まっています。どの程度かというと05年は127.768千人で、08年は127.568千人。つまり微減です。

そういった意味で人口は維持出来ているわけですから、あまり消費自体が大きく縮むことって心配いらなそうです。
ところが一方で日本はかたや既に世界一の長寿国。近年さらに高齢者が急速に長生きになっていってます。1500兆円の個人金融資産の70%が60歳以上の高齢者によって握られていることを考えると、今後もリッチな高齢者の延命治療・投資がより活発化することは自明でしょう。つまり少子化により出生率は減ってるけど高齢者の年齢が伸びてるので総数は微減となるということです。

実際、総務省が5/4に発表してる人口推計(4/1現在)によると、15歳未満の子供は昨対で11万人減り1714万人(28年連続減少)。人口の子供比は13.4%で35年連続低下。3000 万人以上の31カ国と比べても、米20.2%、仏18.3%、独13.9%などを下回り世界でも屈指の低率となりました。

同統計によると、このままいくと世帯主が65歳以上世帯の比率は2000年の24%が2025年の37%に上昇する予定です。
地域別にみると2000年の首都圏20%/四国30%が、2025年は首都圏36%/四国41%にまで上昇します。とくに大都市圏で高齢世帯比率が急上昇するのです。


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続きはこんど→ https://katou.jp/?eid=117 。ところでJCCI理事の皆さんの紹介項に座右の銘があるのは、新鮮でした。加藤の座右の銘は、「人間、至るところ青山あり」です。