日本もシンガポールも社会主義ぽいところは似てるかね
日本は、いちおう政治家を投票を選んでるので、辛うじて民主主義っぽい香りがします。
いっぽうで
日本という国家自体が、資本主義か社会主義のいずれか、っていうと、
これは社会主義に近いと、昔から思っています。
200万の民間企業は、世界ナンバーワンレベルの法人税(実効税率は東京の法人の場合、国の法人税+地方の法人課税で40.69%)をきちんときっちり納め続けてます。
個人も、所得の多い人ほどたくさん税金を納める仕組み(累進課税)に応じ所得税、住民税を合わせた最高税率50%に従っています。相続税も贈与税も世界一水準だし。
(累進課税って、98年までは最高税率65%だったんですよ・・)
この世界最高税率水準の課税制度が、戦後63年間、ミゴトにワークし続けているわけですから、理想的な?社会民主主義国家だと思うのです。
さらに3~40年前の一億総中流国家の頃は、みんなが同じ生活水準の気分だったわけですから、かなりいい感じの社会主義状態だったのではないかしら。
最近は格差社会とか言われだして、すこし資本主義っぽい感じになってきました。
ただ、そういう眼で我が国と中国とかインドネシアの差をみると、格差の幅や社会インフラの均質な行き渡り方は比較にならないほどであり、日本はまだまだ豊かな社会民主的社会が形成できていると思います。
反対に、実質的に政治家を国民が選んではいない中国やロシア、シンガポールを非民主な国家(事実上の一党独裁)だ、と この切り口で単純に斬ってしまうと、、
それらの国のなかで、もっとも社会主義っぽいのがシンガポールだなぁと最近思っています。
(あれれ、こういうのを共和政っていうのかな?)
まずシンガポールにはまったく浮浪者がいません。
(実は2時間以上、公共の場で寝ていると逮捕されます。国外からの出稼ぎの人が仕事にあぶれると祖国に帰らざるを得ない、という居座り防止の法律とも解釈できます)
というのも、300万の国民の寝る場所は確保されてんですな。
シンガポール国民なら誰もが格安で居住できる団地=HDBが整備されています。
一ヶ月あたり日本円で3万円程度で3LDKを借りれます。つまり一生寝る場所に困らないというわけです。実際、80%~90%の国民がHDBに住んでいると聞いています。
(40年前の日本の住宅公団の如き仕組みがシンガポールには現存し、きちんと機能している)
さらに
シンガポールには東京23区程度の国土に、世界中の企業のアジア統括会社や出先機関が存在しています。
それらの企業が本国からの駐在者や近隣国から安価な労働力を確保しようとするとEP(Employment Pass)という労働ビザを発行をシンガポール政府に申請し取得する必要があるのですが、その際のEPの取得人数に比例して一定数以上のシンガポール国民を社員として雇用することを求められます。
つまりシンガポール国民は仕事にあぶれにくい仕組みになっているのです。
一方、シンガポールは食生活に関しては、ピンも数多く美味しいお店がありますが(予算的な)キリにあたる屋台(ホーカーズと呼ばれてる)も猛烈にあります。私の職場の近くにもたくさんありますが、それらは腹一杯食べて4ドル(240円)とかです。つまり動けさえすれれば餓死もしない。
誤解を恐れず一言で言っちゃうと、リッチなキューバです。
かの国も、商売が巧ければシンガポールのようになったのかな、とか思ってみたりしますよ、天国のゲバラさん。
で
世界もこういう金融危機とかの事態に陥ると、けっこうはっきりと国家それぞれの姿勢が明確に出てきてます。
アメリカと中国が共に超・大規模な公共事業・内需拡大事業の予算をつけたりね。バイ・アメリカン条項とか、考え方自体おもいっきり保護政策丸出しだし。国家エゴが出てきているのが興味深いです。
日本の麻生さんも、なんで今の自民党政権があるのかってことはさておいて「郵政民営化見直し」とか「政府紙幣」発行?とか好き勝手暴走しだしましたね。
しかも、いまだに「定額給付金」ネタで世論を騒がせています。これはいただけない。
まったく本質的な景気対策にはならないことで、いたずらに時間を使っているのがもったいない。
こういう頑張っている人も頑張ってない人もお金のある人にもお金のない人にも、均しく誰にでもバラマく定額給付金は、シンガポールもそっくりの経済成長配当金ってのを去年にやってます。
大きく違うのは、シンガポールは社会主義的に「儲かって余ったから、国民全員に配当として出す」ってところでして。
さて、そんなシンガポール経済もいま金融危機の影響で激しく痛んでいます。貿易国なんで動かなくなると直撃です。
で、早々にシンガポールが打ち出した景気対策の目玉は「法人税減税」。
一昨年2%下がったばかりの税率18%をさらに17%に今年減税することになりました。
これはすごい。2000年から数えると3回目、9%も下がることに。
でも、こういう意思決定ならば景気対策と誰もが認める感じしませんか。
日本も世界最高税率の法人税を、景気対策として5%くらい下げれば効果でますよ、マジで税収増えるって!
(相続税がかからない無利子非課税国債 の構想ってのは面白いかもしれないな、と思っています。まぁタンスに隠れているグレーそうなお金が、この程度の誘い水でたくさん湧き出てくるようにも思えないですけど)