アマギフこそ(国家ではない)企業による『第二の通貨』だ。
ここ20年ほぼ毎日のように、僕のメ―ルの受信箱には
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【回答いただいた方より抽選で"20名様"へアマゾンギフト券3000円分をプレゼント】
(ZDNet Japan× デル株式会社 共同調査)
企業における『エンドPCセキュリティ』の活用意向に関する調査
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<< https://japan.zdnet.co /cli … .htm >>
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といったアンケートのような趣旨のメールが十年一日の如く届いている。そのこと自体は、ありきたりのことでさして取り上げるまでもない。
2015年8月中旬、僕は迷惑メールフォルダに入っている企業からのメールを眺めていて、それらのマイクロタスクに対する謝礼が、ほぼ【amazonギフト券=アマギフ】となっていることに気づいた。
少し考えた。理由は簡単だった。
僕は16年にわたってNIKKOという広告会社を営んでいたが、この生活者に対するインセンティブなるものは、業務に常につきまとっていた。わかりやすいニンジンがないと、なかなか生活者は行動を起こしてくれないのは、いまも昔も同じだ。
古くは図書券、ビール券→イオカード→クオカードだった。ネットバブルのころはポイントサイトからの付与がえらく流行った。エアラインのマイレージもそうだ。いわゆるTポイントやポンタといった電子マネーもその対象になってきた。
インセンティブを差し出す側の企業は、そういった生活者へのマイクロタスクに対する謝礼を 調査費、販促費、宣伝費といった費用で計上処理している。それは人件費ではない。
でその2015年8月のある日、それらはほぼ8割方、アマギフになっていた。
何故か。
それが企業にとっても、生活者にとっても便利だったからだろう。
amazonはもともと本のECサイトだった。
それがCDが買えるようになり、電子書籍や映画もオンラインで買えるようになった。
そして今や靴や日用品… いまや日常生きていくうえで必要なものすべてが買えるようになった。あらゆるファッション、家電、お酒、薬、車だって売っているのだ。しかも、それらは直ぐに届く。
アンケートなどでもらえるアマギフの謝礼は… P2YC-W629P3-LH7A といった14の文字列であり、非常に簡単に自分のアカウントに足すことが出来る。そして直ぐにお買い物に使える。まさに現金と同じ感覚で。
生活者にとって便利だから、あっという間に普及したのだな、と思った。
僕が気付いた時、既にアマギフは 流通 していた。
twitter や、Facebookグループ、mixiなどコミュニティで謝礼としてだけではなく、売買のような価値の流通において、その片方の<通貨>のようなものとして動いていた。
そして、それらを使用する生活者が増えたことで、当たり前にamazonの売上も急伸した。
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プライムという圧倒的な競争力のある会員サービスも始まった。
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宅配の流通量はヤマト運輸の労使問題になるほど急増した。
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マイクロタスクをこなして、謝礼をコツコツ貯める中高生が激的に増えた。
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驚いたことに、いつしかギフルやアマオクのような売買のマーケットプレイスも存在していた。そこでは謝礼で貰ったものとは考えられない10万円、20万円といった高額のアマギフもじゃんじゃん流通していた。
なぜなのか。僕には、いくつかの理由が考えられた。 たぶん、以下の全てがある程度正しい。
・ クレジットカードのショッピング枠で買えること。 参考)買取専門サイト:ハッピーマネー
・ インバウンドの爆発で、中国人の日本国内での爆買い通貨としてメジャーになったこと。
・ マイナンバーの施行で、セカンドワークの所得が得にくくなったこと。その代替えとして《謝礼》のやりとりが一般化したこと。
・ 品揃えが充実し、なんでも買えるようになったこと。
・ アマギフが一般化したことで、売買の流動性が劇的に高まったこと。
僕は2014年3月から、ビットバンクというビットコイン企業の資本と経営に参画してる。
その企業活動を通じて、ビットコインは第二のインターネットになると確信を深めることになったが、かたや第二の通貨にはならないと思うようになっていった。
すなわちビットコインの本質は「 Digital gold 」なんだろうな、と。
そして国家の司る第一の通貨とともに使用されるようになる、第二の通貨とは、それはおそらくアマギフのような「企業の通貨」になると思うようになった。
確かに政府の旗振りで、副業容認のムードが醸成されてはきている。
が
日本は累進課税の国だ。
扶養控除枠のある国だ。
生活保護のある国だ。
僕は第二の給与をオープンに銀行口座で受け取る人よりも、アマギフを謝礼として受け取る人の増えるペースのほうがはやいのではないか、と予測している。