ジョホールバルが面白くなるのはこれからだ。

 

僕がジョホールバルに移ってきて2年弱経った。

昨2016年12月に開業したKAMARQペントハウス http://asenavi.com/archives/14104 のある高級マンションImpiana (East Ledang, Iskandar Puteri )に限らず、ジョホールバルでは、イスカンダル計画に沿って、2010年以降に売り出された大量の新築コンドミニアムが昨年あたりからピッチを上げて、引き渡しが始まっている。凄まじいペースだ。

※ 参考→ デベロッパーUEM Sunriseのサイト http://www.uemsunrise.com/township/east-ledang/

 

即ち…今のところの此の地は烈しく供給過剰で相場も下がっているので、僕のように購入した人はぶっちゃけ今は売れないし、賃貸も明らかに『借り手』有利だ。

 

いま僕がこの8月まで借りている部屋は、Impiana同様にジムとプールがあるマンション(Sky Loft Premium Suite)の一室で、120平米の3ベッドルーム… 僕が新築1st Tenant(引き渡し後、初めての賃借人)だったにも関わらず、月の家賃は3200リンギット(6月23日の為替で8万円)だった。

 

でも、こちらの方がおっしゃるほどジョホールバルはゴースト化はしてはいない。

■ 5年前の海外不動産ブームが廃墟コンドミニアムに−マレーシア・ジョホールバル

http://www.toushin-1.jp/articles/-/2676

 

人口は予定通り増えている(ジョホールバル市の人口はここ8年で140万人→190万人に増加)し、イスカンダル計画の開発のペースは落ちていない。堅調に職場も増えている。

 

ジョホールバルで不動産関連サービスを提供している参画先 IKI LINKSでは現在、200戸以上のマンションを、日本人のオーナーから管理委託を請け賃貸付けやAirB運用受託をしているが、この半年の空室率はなんと10%を下回っている。ぶっちゃけ全然足りないので、この記事を観たジョホールバルでマンション持っているオーナーさんはマジでIKILINKSにご連絡いただきたい。

 

一昨年まで7年間シンガポールで暮らしていたけど、同レベル品質であればかなりの郊外であっても最低でも3〜4倍のコストが要る。

 

ちなみに僕がジョホールバルに引っ越してくる前に、シンガポールで暮らしていたマンション(The Rochester, Buona Vista 120平米の3ベッドルーム)で実際支払っていた家賃は当時6500シンガポールドル(6月23日の為替で52万円)だった。すなわちジョホールバルに引っ越して住コストは少なくみても80%は下がったと思う。

 

以前にも書いたけど、ジョホールバルの今後10年の発展を考えると、もっとも重要なのはしごと創りだ。

すなわち雇用と経済が創れる企業が、この地に陣を構えることを促進することだ。そのために我々外資も民間も行政もあらゆる努力をするべきだと思う。

■過去ブログ>ジョホールバルに経済と雇用が創れる企業・事業家を誘致すべく、IKI LINKSに参画します。

http://katou.jp/?eid=527

 

@Cosmeを運営する istyleは先般、ジョホールバルにてマレーシア全土に主に化粧品のECを展開するHermo Creatives を買収した。かなりいい会社だ。

■@コスメ運営のアイスタイル、マレーシアの美容ECを約15億円で買収 海外売上高比率上昇へ

http://ma-times.jp/50219.html

 

これぞ三方よし、そのものだと思う。

 

今後10年、東南アジアはこの20年続いた未曽有の経済成長の余波、慣性利益を生み続ける。

中間富裕層が最も増え、消費者の生活品質はますます向上する。

 

つまり、面白いのはこれからなのである。

日本の多くの価値創造企業は、東南アジアで爆発する域内内需を取り込みに行かねばならない。

これからでもまだ遅くない。最終電車はまだ出てはいない。

 

そのためにistyleのようにマレーシアに、とりわけ東南アジアの経済の中心であるシンガポールの隣街ジョホールバルに出てきてほしいのだ。

 

 

***********

 

かたや、シンガポールは猛烈に外国人のワーキングビザの基準を上げている。

それまで働けていた外国人のビザが更新され難くなったのだ。シンガポールにいる日本人(2016年末現在、36000人内外)にとって、最もポピュラーなEPと呼ばれるワーキングビザにおける最低賃金が2017年から大きく上がった。そして、雇用側がその給与を出したとしてもビザが出にくくなってきた。

この6月末でEP更新の特別移行措置が終了し。今後は更新できない人が増加するのは確実だ。

 

就労ビザ保持者数推移(シンガポール人材開発庁公表データ)

http://www.mom.gov.sg/documents-and-publications/foreign-workforce-numbers

 

当たり前だけど、シンガポールにとって最も重要な資源は国民だ。

シンガポールは長年にわたり、その国民により高い生活=給与水準を提供していくために外国人の移住をコントロールしているのだ。賢明な意思決定だと思う。

 

ただシンガポールの地においてシンガポール人だけを、とりわけ低スキルワーカーを選んで雇用するのはかなり困難だ。

しかし!(シンガポールのユニクロ様、セブンイレブン様にも長期間ご利用頂戴している)参画先 SMS24/7 http://sms247.com.sg/の提供する採用ソリューションを使えば、面白いほどホイホイ採れるので、ぜひ試してもらいたい。

 

Posted by 加藤順彦ポール | comments(0) trackbacks(0)

日本でNeo@Ogilvyを創めた頃のこと。いちど世界なるものが垣間見れた、こと。

 

オグルヴィ・アンド・メイザーが『世界で最も尊敬される広告会社』と聞いたのは…21世紀を迎えた直ぐ後だったかな。2003年の秋、青山ブックセンターでオグルヴィによる書籍「ブランディング360°戦略」を衝動買いした。

 

電通、博報堂は自らを「総合広告会社」とよび、ずっとかっこいい「ブランド」むけのマス広告を作っていた。有名なタレントやアートディレクターさんを起用した洒落たやつだ。もちろん広告主様も日本でいうところの『ナショナルクライアント』がメインだった。

 

かたや日広が1992年の創業以来取り組んでいた生業である『反響広告』(制作物をみて直接、消費行動をとることを期待した広告を業界的にそう呼んでいた)の制作とメディアバイイング…言い換えると「売る、売れる広告つくりとメディア差配」とは、それは対極の位置にも見えていた。

日広が2000~3年の当時のネット広告のお得意先の業種は、出逢い系、ドメインネームのオンライン販売、消費者金融、いわゆるポータルサイト、携帯電話むけの課金コンテンツプロバイダ等の反響広告だった。

 

そういった「売る」広告を作ることが性に合っていたし、その仕事を誇りに思っていた。成果につなげるための制作と媒体購入にこだわって旗を振って、日広を営んでいた。そんな僕が「ブランディング」の父とも呼ばれるオグルヴィの本を読んだのは、本書のオビに【「マス広告」だけでは、ブランドはつくれない】と書いてあったので、我が意を得た気がしたからだろうか。

 

その本はブランド全体のマーケティングにおいて、いかに問題に挑戦し解決したいったのかを、アメックスやIBM、ネスレなどの事例をもとに書いていた。んで、本にはブランドを築く手法でもある「360°ブランド・スチュワードシップ」が軸に説明が施されていた。それがオグルヴィの企業としての哲学でもあった。

オグルヴィは広告のアイデアを効果的に伝えるのに最適なメディアをそのつど選択し、ターゲットに確実にメッセージが届くコミュニケーション戦略を提案している、と。そしてそれができるのは、同社が直接メディアを購買しないから、としていた。

 

なるほどなー、確かにそう言い切れるのはすげぇし…強いんだろな、と。

でもさ、書いてることは解るけど、日本じゃ良い(希少な)枠を独占的に買い占めてる電博あるし無理目じゃね、とも感じていた。零細レイヤーから這い出してきた中小広告会社の僕からすれば、そんなん綺麗事やなぁ、と。

 

************

 

2005年の夏、僕は唐突にオグルヴィ日本代表の山本恵三さんと接触することになった。おそらく僕が検索結果表示型広告のネットワークであるOvertureの推奨認定代理店協会の会長だったあたりから興味を持って頂いたのではないだろうか。

 

グループの中核であるオグルヴィ・ワンは、もともとダイレクト・メールを用いたリレーションシップ・マーケのサービスを多くの業界のクライアントに提供していた。

そのオグルヴィ・ワンがデジタル領域でのダイレクトマーケティングを進めていくためのオンライン・メディア・バイイングと…とりわけ入札によって表示順位が前後する検索結果表示型広告の運用を日本で開始するにあたって、日本でのパートナーを探している、ということだった。

要するに、日広もまた買収のターゲット、ということだ。

 

オグルヴィ・ワンのデジタル部隊として、スピンオフして、米国で始まった新しいチームNeo@Ogilvyは、インタラクティブ広告やデジタル・コンテンツをSP、CRM、PR、マス広告などと連動させることで、これまでにない多面的で効果的なコミュニケーション戦略を実現するための組織だという。

もちろん、当時の僕も日広もイケイケだったので、まぁまぁな規模の買収オファーだったけど売却なんてまったく有り得なかった。 (後から考えれば、かなりいい条件だったけどね)

 

しかし接触して来てくれているNeo@Ogilvyってのは… あの世界のオグルヴィのデジタル領域のNeo!タスクフォースだ。

それにどう考えてもオグルヴィの提唱してる「360°ブランディング」にデジタル技術は欠かせないものになっていく。

しかも今、世界を吞み込もうとしているモバイル広告は、クリエイティブもマーケティング手法も、アメリカよりも圧倒的に日本が進んでいるじゃないか。ある意味でかなりマウンティングできるくらいウチも『優位』だよね、と。

 

一方でGoogle、Overture、Microsoft… 当時の日広の売上の主力というか大部分だったネット広告のメディアやテクノロジーは、明らかにアメリカのほうが先に&大規模に運用されている。

ここで世界一との誉があるオグルヴィと手を組むというのは、業界的にかなりクールではないのか。日広のリクルーティングにも効きそうだ。

・・・ などという計算も働いて、「売却もまんざらでもないよー」的な顔をしつつ、ほいほいとニューヨークに出向いてみたのだった。 英語まったくわかんないのに。

 

それから2度ほどニューヨークの本社に通っただろうか、

2006年4月20日、オグルヴィ・ワン(51%)と日広(49%)は合弁会社という建付でネオ・アット・オグルヴィ日本法人を組成した。カルチャーが違い過ぎて、合意に至るまで現場のメンバーはすごくたいへんだったと記憶してるし、僕も価値観が烈しく合わず幾度も諦めかけた。それでも、なんか凄いチャンスのような気がして粘り強く合弁組成に漕ぎついたのだ。

 

■オグルヴィ・ワン・ジャパン、日広と合弁でネット広告新会社

https://www.shibukei.com/headline/3251/

日広からは特に先方の弱点だったSEMの運用を担うべく、5人の社員が常駐として出向した。

 

************

 

合弁会社はNIKKOに全く経済的なプラスはもたらしてなかった。それでも、僕にもNIKKOにもそれなりに有形無形の果実はあったと思う。

結局、NIKKO自体がライブドア事件以降ずっとダッチロールを続け…いよいよ合弁運営どころではなくなったことが大きく、2008年3月末をもってネオ・アット・オグルヴィの当方持ち分49%を売り戻した。

 

僕はその直後の5月20日に、NIKKOの66.7%をGMOインターネットに割り当て、同社の経営から退いている。

http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20080520/302699/ 

 

要するに、僕からオグルヴィに申し出て幕引きをすることにしたのだ。

 

僕は合弁やってる間にも度々アメリカに行った。

アメリカでの、Ogilvyのデジタル領域の日本の合弁相手という肩書の効果は凄かった。

WPPグループでも、Googleでも、Microsoftでも、なんかそれなりに見てくれてたと思う。英語が拙い僕にもそんなに風当たりが厳しくなかったのは、その効果としか思えなかった。

 

マーチン・ソレル卿が出席するWPPグループの世界の幹部の集まる会合に2回参加した。

 

ソレル卿が「これからはモバイルとアジアであり、それ以外は重要ではない」とスピーチしてたことが、その後の僕を大きく突き動かした。( 中段あたりの【これからはアジアの時代だとシンガポールに移住。】のくだり→https://www.lifehacker.jp/2016/04/160418_asiabusiness_sg.html )

  

あのとき僕は間違いなく世界なるものが垣間見れた、と思う。つか、あれ以来は観てない気もする。

 

そうそう、東南アジアのOgilvyのHQがあったシンガポールにも5、6度通ったかね。

************

 

合弁解消後、最終的にその持ち分株式はCCIに移っていたんだけど、

一昨日 2017年6月20日、日本だけでなく、全世界のNeo@OgilvyがグループM(Mindshare)に統合されることが発表となった。

http://adage.com/article/agency-news/neo-ogilvy-joins-mindshare-wpp-trim-fat/309453/

 

12年前にこの事業に出資する機会がなければ、僕はいまシンガポールにはいなかったな。

僕がNeo@Ogilvyを日本でやるにあたってご縁のあったすべての方々に感謝しつつ、このエントリをまとめた次第。

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