多様性への寛容こそ、シンガポールを解くキーワード。

 
シンガポールには、多くの人種、宗教、言語があります。そして共存しています。
人口における比率でいうと中華系74%、マレー系13%、インド系9%、その他・・となります。

テレビをつければ北京語(マンダリン 中国標準語)のテレビ局、英語のニュース専門チャンネル、インドの人たちが出ているドラマがふつうに放送されています。

それもそのはずシンガポールにおいて標準語は、英語・中国語・マレー語・タミル語と4つもあります。
・・・4つもあれば、どれが標準か分からないほどですが。

国家としての正式名称も各言語バージョンがあるのです。
    Republic of Singapore (英語:リパブリック・オブ・スィンガポー)、
    新加坡共和国(中国語:シンジャーポー・ゴンホーグォ)、
    Republik Singapura (マレー語:リプブリク・スィンガプラ)、
    சிங்கப்பூர் குடியரச(タミル語:スィンガップール・クディヤラク)

宗教も、仏教、道教、イスラム教、キリスト教、ヒンドゥー教などが並存しています。実際、一年中さまざまな宗教のお祭りが行われ、その日は国民の祝日としてお休みになっています。

したがって、例えば皆さんのお子さんがシンガポールのインターナショナル・スクールに通うことになると、、さまざまな人種の背景や、それぞれの人が帰依している宗教、について知ることになります。

それぞれの独自性や特徴を学ぶことで、信じている神様が互いに違うということ、区別があること(差別の存在も)、、多様であることを受け容れ、認め合うことをまず学びます。

もちろん、このように多様であることを旨とするシンガポールであっても、世界中に存在しているマイノリティへの『差別』はやはりありますし、人種間の壁もあります。

しかし実際に、いまや国民の8%を占めるインドの人も、ユダヤ人も同じ場を共存する『人種の坩堝』が実現し、大きな紛争もなく平和が維持できている国、それがシンガポールなのです。

マレーシアから、少数民族であるが故に、分離の途を選ばざるを得なくなった国家シンガポールの轍が、この状況を導いた、のでしょう。

とはいえシンガポールの中でも、中国から来た方とインド人は概して仲は悪いですし、交わることも稀だと思いますが。

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※ シンガポールの行政の仕組みは、世界中の為政者から絶賛されています。

2011年5月7日に投票が行われた総選挙では、リー・シェンロン首相が率いる与党の人民行動党(PAP)が定数87議席中81議席を獲得し、政権を維持しました。いまだに、たいへんな支持率です。
しかしながら、与党PAPの得票率は60.1%と、2006年の前回選挙の得票率66.6%と比べて6.5ポイント下落し、1965年の独立時以来、過去最低の得票率となりました。

また複数の候補者を擁立するグループ選挙区(GRC)で史上初めて野党に敗北し、現職の閣僚2人(ジョージ・ヨー外務大臣、リム・ヒーファ首相府相)が落選という憂き目にあいました。
多くの富裕層との格差が顕在化し、外国人優遇への批判が高まりも表面化してきた、という結果なのでしょう。