高齢化とは 消費者の減少

2020年5月14日

 
この夏の日本は、近年稀にみる暑さでしたが、ビール(発泡酒・第3のビール含)の消費量は過去10年で最低だということです。
 
売上の減少を嘆いて「若者の○○離れ」とか言う方が相変わらず多いですが、高齢化で消費自体が縮小している(=消費者自体が減っている)のが、大方の主因です。

高齢化というのは、貴方が年老いていくということであり、日本が高齢者の国になっていくということでもあります。

2000年、日本の75才超人口は900万人でした。2010年の75才超人口は1422万人です。人口は殆ど変わっていないのに、たった10年で75歳人口は500万人増えました(シンガポールの国民数と同じ)。これからもっと増えます。

高齢化とは 労働力の減少 ではありません。消費者の減少 を意味しているのです。

加藤が円高論者なのは、日本の高齢化の進行 が最大の理由です。
我が国は(雇用なき)生産性が向上していく一方、高齢化が因で今後も「内需=消費」が物理的に伸びないのです。すなわち貿易黒字はまだ伸び続けるでしょう。

よく社会主義の皆さんが「老後の生活保障、福祉がしっかりすれば消費は促進される」と仰られていますが、僕はそんなことないと思います。

そもそも消費とは若者のもの。新しいこと/新しい消費に挑むことは若者の特権です。かたや高齢者には旺盛な衣食住への新規の消費意欲も需要もまずありません。

概して若かった頃に比して保守的(いつも買っているものと違うものを買って、逆に失敗することを恐れる)になり、これまで生きていた通りの消費スタイルを、お金があるからといって変える人はほんの僅かです。だってさ、年老いてから、お洒落な服や高級な料理をガッツリ買ってる喰ってる人はあんまり見たことないでしょ? 日本のリッチな高齢者の趣味は「貯金」ですよ。

ワコールの下着、キリンビール、キューピーマヨネーズ、永谷園のお茶漬けの素、トヨタ車、ネピア、アタック、、、。裏をかえせばメーカーにとっては、同一商品を長年愛用を続けてきた高齢者こそ、まさにロイヤルカスタマーと言えると思います。

これからの日本は、需要の総量が漸減しながらも、高いシェアを持つ企業がより勝つ構造となります。従ってあらゆる消費カテゴリにて「シェア1番」の勝ち組企業は、国内でのシェア競争にて より寡占方向に進むでしょう。

高齢層には外界からの刺激に影響をうけたブランドチェンジもほとんど起こりません。

20年30年のんできたビールの銘柄を替えることは相当のことです。彼らは牛乳も、納豆も、本屋も、床屋もいつもの通りです。

だからもう 勝ち組は、日本国内向けの新製品開発なんかしないでいいのではないでしょうか。ブランドと固い絆を持つ高齢者が既存製品を支えてくれるので、国内売上もそんなには下がらないでしょう。製品開発費も減ります。損をするのは広告会社と媒体社だけですよ、きっとww。浮いたエネルギーをアジア市場攻略に投資しましょう。

マス広告やキャンペーン、店頭での特売販促、口コミがブスブス刺さるのは、今も昔も「まだブランドを決めていない」若き消費者です。

彼ら彼女らは、高齢者ほどは財布に余裕もなく、また特定のブランドとの絆もさほど強くないので、ちょっとした値引きやおまけ、評判、店頭でのキャンペーン内容で、今まで買ったことのない商品を買います。試します。

そんな若い消費者が順調にww 減っている日本。
だからこそ僕は日々日本の企業&起業家に「東南アジアに進出して、新しい若い消費者を獲得しよう!」とけしかけているのです。ハイ。ベトナムの50%は25歳以下ですよ。

じゃ股