アジア全域でマーケティングするなら シンガポールを拠点に

2020年7月22日

 

9月11日は第3回 世界級ライフスタイルをつくる会@シンガポールにはじめて参加してきました。

シンガポール在住の経営者の方々、アジア中を飛び回るビジネスマン、 NTU(ナンヤン工科大学)でMBAプログラム中の学生さん・・・いろんな方が参加されていて実に楽しかった♪のですけど、そのなかにP&Gの方がおられました。で、お名刺を拝見すると住所は神戸。

10月から異動でシンガポール勤務、今回は家探しで来星中で参加されたということでした。加藤がシンガポールのP&G勤務の日本人にお逢いするのは3人目。ブラントマネジメントがお仕事という彼女も交え、フツーに楽しくわいわいお酒をご一緒したのです。

で、この呑み会の翌日、前日付の日経朝刊を読んでたら、13面に『P&G、アジアの機能集約 シンガポールに、日本からも移管』という記事が載ってて吃驚。

この記事によると、なんとP&Gはアジアでの商品戦略を見直し、日本を含むアジア全体の商品開発・マーケティング機能をシンガポールに集約する、ということでした。(更に中国からの移管も検討中とのこと)。

さらに『販売促進などのアジア全域への水平展開を円滑に行うとともに、成長市場の東南アジアを重視する』とあります。

素晴らしい。

つまりシンガポールに人事異動じゃなくて、日本の10数名の商品戦略部門自体がアジアという括りで集約移管されるってことだったんですよ

移管部門はパンテーンやヴィダルサッスーンなどのシャンプー系、SK-Ⅱなどの化粧品類、プリングルスなどの菓子などなど。今後は商品企画・広告宣伝はシンガポールが主導する、とあります。

とくにここ数年、化粧品・トイレタリー・菓子・飲料分野は、世界中のメーカーがアジア戦略を強めています。
日本メーカーも、よくこのブログでご紹介しているユニ・チャームやピジョン、花王、資生堂、サントリー、明治、ファンケルなど伸張著しい企業が多いです。

日本はよく 消費者が世界一品質にうるさい、とか、オーバースペックの商品、とか言われています。実際、包装などを見ていると、その違いに驚くことも多いです。

しかし・・・これからの超高齢化ジャパンを鳥瞰すれば、もう高齢ロイヤルカスタマーにおいてはブランドチェンジもおこりそうにないですし、国内の競争はデフレ一方で、イオンやヨーカ堂のプライベートブランドとの値ごろ感合戦になっていくばかりが予測されます。

もうそろそろ日本市場向け独自の開発商品を作る必要性もなくなってきたんではないでしょうか。
いい加減に、日本のGMSやコンビニの棚獲りのための多産多死の新製品開発合戦はやめましょう。
やめても、そんな国内売上は減りません
よ。

さて
P&Gの08年の世界売上は835億ドル。
うちアジアはまだ1割強というシェアのようですけど、なんせ21世紀はアジアの世紀、今後の成長が期待できますね。

日本企業も、P&Gさんを見習って、むしろ日本式のキメ細やかな商品開発ノウハウを、30億人のアジアを面でとらえて取り組んでいってほしいと思ってます。

アジアで成長する日本企業のみなさん!!
ほんとは本社ごとシンガポールに移転すべきだとは思いますけど、せめて商品企画・広告宣伝だけでもシンガポールに移管しましょう!。

ところで、余談ですがシンガポールには(以前も一度紹介しましたが)日本の経済産業省にあたるEDB(Economic Development Board)があります。

そして、このEDBは国を挙げて世界中からのあらゆる投資・進出を歓迎しているのです。
↑全文、日本語訳があります(!)ので臆せず読んでみてください。誘致の姿勢、凄いでしょう。

実はP&Gだけでなく、欧米のトイレタリー・製菓メーカー大手が、J&J、ユニリーバ、クラフト、ネスレ、キャドバリー・シュウェップスなどの超大手が軒並みシンガポールにアジア地域本社を置いています。

民主党も官僚を変えるつもりなんだったら、経産省をこれくらい大きく変えてくれれば、民主に否定的な僕も高く評価するんですけど。

ああ、でも移民政策がまだ駄目だからどっちみち、そういうのは今は無理か、日本は。早く外国からの頭脳や資本を受け入れる体制にならないと、空洞化ばっか進んじゃってスラム化しちゃうよ