20代が25万円未満しかないことじゃなくて借りれなくなることが残念だ
20代の4割弱が25万円未満の金融資産しかない。
20代の若者のライフプランに関する日本ファイナンシャル・プランナーズ協会の調査から、そんな実態が明らかになったそうです。
えっ!そうなの、と思ってしまいました。
というのも、逆に僕の周りには「最近の20代は貯金ばかりして遊んでいない」と嘆く人口密度が高くて。
廻りの中年の嘆きは、総じて (加藤も含め、自分たちの若いときに比べて)
・お酒を呑まない (ノミニケーションしない)
・外車!やブランド衣服など、見た目や格好に投資しない
・旅行やレジャーに興味関心がない
と云うのです。若い時分は生活に追われてないんだから、カネなんか貯めずに自分に投資しろ、と。
(こういう人に限って、いい歳していまだに不良というか、夜な夜なフラフラしている人だったりするのですが)
ぼくはこれ見て、6月23日15:29のtwitterにこう書きました。
「加藤は25歳の頃は借金しかなかった。公私共に資金繰りは7つの消費者金融カードでぐるぐる回してた。当時のアコムや武富士って5回完済すると50万まで限度額が上がったんよ。今日の問題は金融資産が少ないことじゃなくて未来ある若者が借金出来ないことだよ」
そしたら各方面から予想外の反応があったんです。ですので、このあたりについて、あえて掘り下げます。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
92年6月頃、徳間インテリジェンスを辞めて独立しようとしていたときに、ある取引先の社長から
「加藤、サラリーマンのメリットは社会的信用があることだ」
と諭されました。
そのセンパイ経営者いわく
「開業したら、銀行どころかサラ金からもお金借りられないよ」と。
「だから独立するのであれば、出来るだけサラリーマンの間にクレジットカードやローンカードに入っておけ」
と薦められたのです。
なるほど一理あるな、と即行動に移しました。
で、退職までの2ヶ月で、サラリーマンの強みを活かして7社の消費者金融と4社のクレジットカードを申込んだわけです。
とはいえ、当時も新卒?入社一年程度の25歳の若造でしたから、借りれるっていっても最初は10万円が限度額。
センパイの指導に従い、いわれたとおり各社から目一杯借りて2週間以内に全額返すのを繰り返しました。そうすると2ヶ月弱で限度額は20万に。更に繰り返すと、あら不思議。どこの消費者金融も半年程度で50万円まで借りれるようになったわけです。
でも、当時でも新たな消費者金融の口座を作ろうとするときは、他社からの借入れの最中だと、CICのデータベースに残高が残っていて口座が作れません。
だから別の消費者金融に口座を作りに行く直前に、全部返済しておく必要がありました。そうすると逆に信用が増していくというわけです。
まぁ、そんなことまで悪い良いセンパイに教えていただいていたので、7つの消費者金融に口座を作り、各社からMAXの50万ずつ、合計350万円が同時に借りられるようになるのには7、8ヶ月しかかかりませんでした。
これとは別にクレジットカードからもローン枠を引き出していたので、93年になった頃には、最大500万はカードローンが出来る状況になっていました。
(皆さま、これはカードローンの奨めではありませんよぅ。これは92年夏~93年初頭の話です。モチロンご利用は計画的に!お願いします。良い子は真似しちゃいけません)
とはいえ当時の加藤にとって、この段取りはカードローン融資枠を短期間で広げるためのゲームのような手筈でした。そもそも独立当時は、借りても資金用途もなかったのです。まぁ借りても持ってるだけだから、当然2週間で全額返済が繰り返せたワケでして。
しかし、いま思い返しても
このカードローン枠が、独り手探り状態だった当時の、己の心身安定にどれだけ繋がったかはわかりません。ほんとうにこんな仕組みがあって有難いと思っていたものです。いや、独立したての駆け出しヤロウにとって、手元のお金は大事なのです。
そして20代後半は何度か、このカードローンに個人の そして会社の資金繰りを助けていただきました。
(いまでも当時のことを決して忘れまいと、作った消費者金融のカードは大事にとってあります。いま使えるかわかんないけど)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
さて、ご存知の方も多いとは思いますが
きたる2009年12月から2010年6月にかけて金融庁・経済産業省によるグレーゾーン金利問題の解決策?の官製不況の最終兵器として、貸金業法・割賦販売法が大改悪されます。
一言でいうと両法とも「現在の収入に対しての、返済能力審査を厳しくする」ものです。
新しい貸金業法では、
年収の1/3を超える借金が出来なくなる総量規制(全ての借入れ合計額 /住宅ローン除く)がかかります。
新しい割賦販売法では、クレジットカードの新規発行や分割払い契約の際に、現年収から年間支払可能か、がチェック・算出されます。
これは加藤が思うに【夢と欲だけが一杯という若者(担保は若さと将来性だ!)】の消費を妨げる 内需縮小へ
直撃の悪法だと思います。もちろん若者にお金を貸したい金融業者も貸せなくなるのです。
現在の収入から分相応な消費か否か、を法律が断ずるということです。これじゃ若い人はクルマも服飾も、あらゆるお買い物に、背伸びせずに、ますますお手ごろ価格のものしか買えなくなることでしょう。とほほ。
自民党・民主党が口を揃えて唱えている「日本の内需拡大」には、個人消費を盛り上げるしかない、と思います。が、僕はかねてから、そもそも消費ってもんは若者のものであり、高齢者は消費を欲しない、と考えてきました。
一方で、世界随一の1500兆円といわれる個人金融資産の70%は60歳以上の高齢者が持っています。(このお金は 平均年齢伸び続ける長寿国家の彼ら自身が人生100年に備えてお金を溜めているので使われていません)
ただでさえ、少子高齢化の超高速進行で、内需縮小の勢いが激加速しているなかで、こんなトンデモ法律をこれから施行しようという我が国の政&官の自虐行動をみていると、ほんとに内需刺激をする気などないんだ、と思っちゃうのです。
こうなってしまうと、もうこのアホ法の枠組みの外で、(例えば↓P2Pで) お金を循環させていくしか、若者に背伸びするチャンスは提供できないのかもしれません。
新たに登場しだしたソーシャル・レンディング(これ素晴らしいですね♪)に参加するような、志高い消費に対しての貸し手(リスク・テイカー)を募っていくことしか、日本の若い内需拡大への処方箋は残っていないのでしょうか。