「健全経営だと認可された貸金業者に限り…」貸出金利を29.2%に戻そうというナニについて

2020年5月25日

今回は逆恨みてか、私怨まじりですよ。はい。

ヒロさんが書いたエントリを拝読しました。
* 上限金利が消費者金融、規制緩和の良し悪し
http://lite.blogos.com/article/89588/?axis=&p=1

はぁ、良し悪し?ですか。
良し悪しなんて、僕にはわからない。
ましてや文中にかかれた「健全経営だと認可された貸金業者に限り…」ってのも、オトナの世界のハナシ過ぎて反吐がでそうです。

その昔、グレーゾーン金利問題がありました。
言うほど問題だったかどうかは今でもわかりません。
少なくとも僕の周りの世界では「問題」にはなってなかったと思います。

昔あった利息制限法、貸金業法って法によると、利息の契約は、同法で定められた利率を超える超過部分は無効とされていました。

ところが2006年頃まではもうひとつの法律=出資法の上限金利(29.2%)に基づいて、貸金業者、特に消費者金融業者の多くは、この金利帯で金銭を貸し出していました。つまり、ダブルスタンダード(二重基準)だったというわけです。その19.2~20%から29.2%の間の部分がグレーゾーン金利だと。

2006年、そのグレーゾーン金利の解消という建前のもとに、、あろうことか10年前!に遡った金利の一部返還などという ”法治国家にあるまじき出鱈目" によって、極めて作為的に消費者金融業界は潰されました。
あっという間に商売自体がほとんどなくなりました。テレビ・新聞・駅の広告から、ヤフーなどのポータルサイトから、駅前の雑居ビルから、消費者金融の広告も店舗も忽然と姿を消しました。

加藤の思う 法治国家にあるまじき出鱈目 とは ”長年にわたったダブルスタンダードの放置” ではありません。

出鱈目なのは、いちど正しく所得の申告と納税が終わった会社法人の決算を10年も前にさかのぼって金利の一部返還を求めたことです。

よしんば、それを是とするのであれば(すべきだとは全く思いませんが)、否定された=とりすぎとされた29.2%の利益が益源となって、納められた=取り過ぎた税収を各事業者に対し返還すべきであったと、僕は思います。

実際、10年も前に遡って金利の差分を返済する?という意味不明のルール変更を承服出来ず、米国系の事業者(GE、citi系)は即時、撤収した経緯があります。

そして武富士、クレディア、レイクやアイクなど外資(citi、GE系)などの専業は事実上の廃業へと追い込まれました。

アコムは東京三菱UFJの、プロミスは三井住友銀行の、すなわちメガ銀行の傘下となりました。

当時最大手だった武富士が抱えた過払い金請求は総額1兆円ともいわれてました。
同社は 「過払い利息が無効なら、それで得た利益をもとに課された税金も無効。グレーゾーン部分も含めた利息を収入として計上し、法人税も納めていたことから、グレーゾーン部分が違法となれば、その部分の法人税を返してほしい」 という、僕から見れば 至極まっとうな主張で、国税当局に1000億円規模の法人税の還付を求めようとしていましたが、、、、その後どうなったのか、よくわかりません。

大手各社がこの動きに追随していれば、その総額は1兆円以上になっていたと思いますが、SMBCや東京三菱傘下となったプロミスやアコムがそんなことをするわけもなく。

僕は、もしグレーゾーン差分が消費者金融の“不当利益” であったとするならば、その部分に該当する法人税は国の“不当利益”であり、国税当局は還付を実施すべきだったと思います。

消費者金融業界を破壊した挙句に、いま再び「健全経営だと認可された貸金業者に限り…」改悪前の金利に戻しても、そこで儲かるのはメガ銀行だけです。この密室選民的な思考・・・。

僕はこみ上げる怒りで、震えが止まりません。

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さて
なぜ、今回のエントリが私怨混じりか、というと、ですね。

2005年...僕が経営していた頃のNIKKOの最大の広告主はCITI Financial Groupさんだったんです。時効なんで言っちゃうと、当時2億以上の扱いがあったんですね。ディックさんとアイクさん。
ディック Wikipedia 
アイク Wikipedia

ぶっちゃけ、過払い金利の返還が決まって、即時広告停止になっちゃったんですわ。全部ですよ。2億がゼロ。

NIKKOにとってのここんちに次ぐお取引先なんてGMOインターネットですからね。会社潰れかけてましたよ、マジで。NIKKOにも余波バリバリでした。

* 当時を振り返る熊谷さんのインタビュー(消費者金融事業への挑戦と凋落)http://www.venturestory.jp/news/magazine/magazine_20131105.html

そんでNIKKOの業績も急落下しまして。
2006年3月には10億の売上が、年末には5.5億ですよ、おとーさん。
これを官製不況と言わず、ナニをいいますか。逆恨みもしてますわ、はい。

※ このエントリのもとになった呟きがFacebookに上がっています。404 not foundの小飼弾さんから物言いがついて、いい感じに焼けていますので、ご興味があればそちらも是非。
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