内需縮小すると合従連衡が進む

2020年4月18日

UNIQLOの株価が堅調ですね。
価格競争力が強い(ていうか値ごろ感がある)会社が、不況に強い企業というのは本当なようで、株価だけじゃなく実際に売上げも伸びている。(更にアジア展開も順調♪ですし)

お金もないし、今日はTSUTAYAでも行って家で映画見るか、って、ここんちも他のレジャー産業の業績悪化を尻目に伸びてる感を受けます。

マクドナルドのように株価はじりじりと下げていたのに、9月の金融恐慌を境に株価が反転している会社もあります。最近は不況の勝ち組といわれてたり。

安く狭めの家に引っ越すようなことになると、いまの家財道具じゃ大きすぎるって ニトリなんかでリーズナブルな新品を買うんでしょうか。

ともあれ9月以降の金融恐慌によって
個々人の消費の予算総額=日本国内の消費需要はますます減っている、と思います。

ま、これこそ「内需縮小」なわけですけど、そもそものメガトレンドである 少子高齢化による内需縮小 もこれに平行して進んでいるわけでして、、、加速がついてきちゃった感があります。

さて、
そんななか大きなM&Aが発表になりました。新日本石油と新日鉱ホールディングスの経営統合です。

国内最大手の新日石は2008年3月期の連結売上高が7兆5240億円。新日鉱も同じ期の連結売上高が4兆3395億円。単純合算すると売上高が11兆8000億円以上の巨大企業が誕生することになりました。

もちろん、金融恐慌前から この縁談は進んでいたわけですけど、背景には今夏までの原油価格の高騰(逆に今はすごい下がりようですが)でガソリン需要の低迷が続いてたことや、精製設備の過剰や価格競争の激化による低収益構造の改善が課題となってたことがあると思います。

統合を機に不採算の製油所やガソリンスタンド網の統廃合を進め、コスト削減を徹底することで(売上げはさておき)利益増が見込むってことですな。

総論、正しい選択だと思います。この業界もまたプレイヤー多すぎるし。

加藤はあらゆる業界で、あまねく均しく、このような合従連衡が起こると思っています。必然的に。

その理由は、少子高齢化による内需縮小 とグローバル経済の進行です。
この流れは当面の間(少なくとも私が生きている間)は変わりません。

単純に言うといままで存在が許されていたプレーヤーの共存が困難になるんです。

両社の売上げは足し算で現時点では7.5+4.3=11.8ですが、内需縮小のトレンドで考えると、今後は緩やかに減収していくのが理です。
長期的には7.5+4.3が11や10とかに解が変わっていくはずです。

すなわち、今後はあらゆる国内企業が、 内需縮小トレンド=減収の流れの中で如何に増益を指向するか、という経営課題を抱えると思います。

そしてその解として、同業同士の合従連衡というのは、とても理に適ったフツーの選択なんですね。共通のことやっているので、コスト削減が容易だし。

勢いで乱暴に言っちゃうと、
自動車業界も、家電業界も、あらゆる消費財の業界も、BtoBも、BtoCも、全ての業界で、13行あった都市銀行が3行になっちゃたのと同様に、企業数が減っていくと見ています。

しかも、これまでよりも遥かにはやいペースで。

でもね、そう考えると、確かに理には適っているんだけど、なんか切ないというか、やるせないというか。

長い間、業界下位の企業や、新興ベンチャー、新規参入企業を、仕事を通じて応援してきた加藤としては、ほんとに 業界シェア上位企業による、シェア下位企業の吸収M&A しかソリューションはないのかしらん、と 数年前から思っていたわけです。

そして・・・行き着いた当面の結論として
加藤は国内ナンバーワンではなく、世界のオンリーワンを目指す日本企業が採るべきアクションこそ、まさに
アジア進出であり、アジア資本化 だ と考えるに至ったんです。

シンガポールでも、東京でも、日々そんなことをお伝えしております。