ウノウ/Q:podこそ、日本ベンチャーの新しいロールモデルだ

昨年2009年は、アジア各国の株式市場にとっては最高のパフォーマンス・イヤーでした。

FTSE発表のAsia-Pacific indexは年間で37%上昇となったんですが、、、Financial Timesによると、ここから日本株を除外すると…67%も騰がった勘定になったそうです。

それらアジアの各市場を各主力銘柄とともに牽引しているのは、各国の新規上場企業。

昨年10月末に28社が上場してスタートした中国版ナスダックの創業板は、設立9ヶ月で100社ものIPOを達成しました。驚異的なペースです。(2010/8/6 日経電子版より)

一方でこの日本の株式市場だけがアジアで一人負けの傾向は2010年に入って以降も続いています。8/27現在、年初時の平均株価を下回っている国はアジアでは日本だけです。

日本の創業板にあたるジャスダックはずーっと安値更新中
世界、アジアに比して日経平均株価がかなり弱いのに、更に地を這っています。

小型株=新興ベンチャー市場が「死に体」なのが、2006年以降の日本の株式市場の大きな特徴だと思います。

そして現在の日本では、新規の株式上場を目論むのはヒジョーに厳しい状況となっています。

2006年には188社ものIPOがあった我が国が、ライブドア事件以降のベンチャーへの猛烈な逆風→人気激落ち、リーマンショックに端を発する金融危機の影響、加えて所謂J-SOX法、四半期開示の早期対応→上場維持コスト増で、、、一気に新興市場が冷え込んでしまったのです。

遂に昨年2009年に至っては、全ての市場合計でわずか19社しか上場出来ませんでした。
2006年188社 →07年121社 →08年49社 →09年19社

本2010年は辛うじて昨年を超える上場社数はクリアできそうですが、8/27現在、本年に入って上場した会社で初値を超える株価がつけられている会社は一社もない(;´д`)という極寒状況です。

だからこそ、ここに来て10社以上の日本のベンチャーが、日本ではなく韓国や台湾、シンガポールなどアジアの証券取引所にて上場意向を表明しているのは、大いに納得出来ます。

かたや上記の中国/創業板のIPO時の資金調達額は100社で〆て713億元(約9100億円)です。

この一社平均91億は、日本が上記19社の合計で573億円の調達(平均30億)だったので、3倍超のパフォーマンスということになります。

…かなりの差なんですな。IPO当事者にとっての最大の意義は資金調達です。日本の新興市場が国際的な競争力を滅失しているのも当然と言えるのではないでしょうか。

要するに
上場できる利益水準があっても、ちゃんと調達ができなければ上場しないという選択をしてる企業が増えてるんですな。

未上場でも銀行借入で固定2%あたりで、それなりに金は借りれるとなりゃ、上場維持に縛りや義務が増えたIPOなどする必要もないわけでして。

さて
そんななかベンチャー関係者にとって、非常に明るいニュースが届きました。

ウノウの外資(Zynga)への売却、そしてクーポッドGrouponへの第三者割当増資による傘下入りです。

素晴らしい!。日本だけにこだわらず、世界に目を向ければチャンスは大いにある、ということを証明してくれたと思います。

ウノウ山田社長の実にポジティブなコメントや、アレンジしたIVPのリリースに、これが日本のベンチャーのEXITの新しいロールモデルのひとつとなることを、鮮明に予見させてくれます。

twitterやブログでは、これらの新しく素晴らしい動きを「米国への身投げ」などとアフォ&とんちんかんな誹謗をする方もおられますが、まっーたく問題ない、と思います。

これこそ、これまでの日本のネットベンチャーになかった世界との連携です。自虐ジャパンを覆っている閉塞感を打破する光明ではないか、と感じたここ数週間でした。

いやー今年は日本のベンチャー面白いですねぇ!♪。
新興市場はぜんぜん面白くないですけど。