オリコン株式会社(おりこんDD)創業20年、おめでとうございます。

1997年のいつだったか、友人 坂本光正さんのご紹介で、株式会社オリコン:1966年設立 にちょくちょくお邪魔するようになっていました。

同世代の専務取締役 小池恒さんのお人柄に魅了されたのでした。また実父でありオリコン創業者である小池聰行さんが築き上げた事業を継ぐべく、、、僕のなじみの深いリクルートから転じてきた恒さんの日々の創業者との闘いぶり、垣間見る葛藤のさまをほっておけずにいられなかったこともありました。僕自身が生来のオリコンチャート大好き人間だったこともあったかなぁ。

世はビットバレー狂想曲の真っただ中。

若かった僕は次第に…恒さんがオリコンをリーダーシップをもってマネジメントできないのであれば、いっそデジタル事業 すなわち公式課金サイト運営、ポータルサイトなどインターネット界隈 に特化した新会社を興し、上場を目指すべきという持論をぶつけるようになっていきました。いわんや、この方角には恒さん自身が強い意欲を持っていました。

オリコンから同社のデータベース事業の移管スピンオフを受けとり、携帯電話への公式課金コンテンツ提供(=着メロ配信)を主事業として株式会社おりこんダイレクトデジタル(おりこんDD)を新規設立したのは、1999年10月1日 のことでした。

この創業は準備にけっこう時間が掛ったような気もしますし、あっという間だったような感もありますが、凄まじかったのはそこから… 翌2000年11月に、大阪証券取引所ナスダックジャパン市場(現 JASDAQ市場)に上場するまでの一年ちょいでした。

そして

その上場から僅か2か月で、オリコン創業者の小池聰行さんが亡くなったのでした。 https://imidas.jp/hotkeyperson/detail/P-00-105-01-03.html

ふり返ると、聰行さんは気力でナスダックジャパンへの上場をお待ちになっていたかのような気がします。

データベース事業の分割に対しても、上場を目指すことに対しても、当初はネガティブだった聰行さんも、お祝いの席で顔をくしゃくしゃにして喜んでおられたのが忘れられません。

その5か月後の2001年6月、実は債務超過だった株式会社オリコン(2015年にoricon MEが吸収合併)を株式取得、子会社化したことで、神様でも描けないような…恒さんによる事業承継とオリコングループ再編の現在に至る大枠は出来上がったのです。すぐ脇でその一部始終に参加していましたが、或る種の奇跡をみたような感がありました。

上場を前後して…株式会社オリコンの取締役も1年半ほど務めさせていただきました。

毎週水曜日朝に開催されていた運営会議にも1年近く参席したのも、いい想い出のひとつです。

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その後、急速にCDやDVDなどのパッケージソフトは売れない時代に完全に移行しました。若者はCDを一枚も買ったことのない人のほうが多い…今の世の中です。

そんな中で、同社は恒さんが上場後に生み出した(それまでの『オリコン』のネームバリューを存分に活かした)新事業「顧客満足度ランキング」 https://life.oricon.co.jp/ が主業へと華麗にさし替わっています。 一世を風靡した『オリコン着メロランキング』やオーディション情報誌『Deview』の取得…そして旧オリコンの取得→子会社化。そう、往時の僕が恒さんに魅了された最大の点は、彼の右脳から生み出される事業構想力と、スピーディな実行力でありました。

今日10月1日、おりこんDD=現・オリコン株式会社が設立20周年を迎え、東京で式典が開催されました。

残念ながら、僕は駆けつけることが出来なかったのですが、祝辞を送らせていただきました。ここにそれを書き留めておきたくて、ブログを書いた次第です。

『エンタテインメントビジネスがパッケージから配信へと転換する兆しを掴み、データベース部門を別会社へ切り出し、ランキングと着メロを組み合わせるという、小池恒さんの右脳と発想実践からの起業でした。

20年おめでとうございます。

針の穴を通すような絶妙の氣を掴み、電光石火のナスダックジャパンへの上場。そして顧客満足度ランキングの事業化。旧オリコンとの合併…。上場前後の3年半、恒さんのその閃きと行動にご一緒した昼と夜が懐かしいです。シンガポールより、オリコングループの皆さまの益々のご活躍を祈念致しております。

ToGEAR PTE.LTD. 加藤順彦』

追伸:そんなわけで晩年の小池聰行さんに何度もお逢いしてました。そう!あの「ヤングOH!OH!」の小池さんのまんまの方でした。喧喧諤諤の会議のあとで よく「で、君は誰だっけ?」って三度以上、訊かれてました。… たぶん、最期まで名前覚えて頂けてなかったと思います。  うふふ。。合掌。