世界一周32日目(6月11日)| インドについて、車中で学んだ幾つかの事柄のメモ

2020年5月14日

 

6月7日。草木も眠っているはずの丑三つ時、ともかく僕は初めてインドの地を踏みました。

今回の世界一周の旅程を組むにあたって最も苦渋したのが、このインドの日程です。どこに行くのか、どれだけいるのか、、、というのも、アジア・アジアと言っていながらも、インドはどう~も加藤に合っていない様な気がしてww この3年間、何度も視察やMTGのお誘いがあっても避けてきた国なのです。おなか弱いこともあるし。

期待と不安が入り混じる、もわーんとした闇夜のデリー空港。

!繁田奈歩さん(梅さんの隣)に迎えに来ていただきました。(ブログ超面白いです)

今回のデリー滞在では全面的にサポートしていただきました。インド・中国のマーケティングリサーチ、サーベイではたいへん実績のあるインフォブリッジグループを率いておられる稀代の女傑です。酒豪です。

とにかくあと12時間くらいホテルにはチェックインできないこともあり、到着早々ナニでしたが、これからあのインドを代表する至宝タージマハルにクルマぶっ飛ばして3時間半、行くというスケジュールです。

そして、、そのままクルマに乗り込み3時間半。
隣でグーグー寝ている鯉ちゃんを尻目に、繁田さんにインドそしてデリーの基本情報についてヒアリングしまくりました。

インドの人口(27州と22公用語)、経済成長、政治、産業、民度、外国資本進出の規制の経緯、ドメのベンチャー、グローバル消費財、インターネットの浸透、モバイル、ソーシャル、日本との関係・・・。 

・・・あたりが白んできました。

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◆ 12億1019万人、世界シェアは17.5%、年率平均増加率1.62%(2001年~11年)。つい先日、10年ぶりのインドの国勢調査で発表されました。

国連の調査によるとこのペースで行けば、2030年には中国を上回り、世界1位の約14億8460万人になると予測されています。
平均年齢は2020年時点で28.1歳、30年で31.7歳、40年で35.3歳、50年でも38.4歳
という若さ。(中国の2020年時点での、それは37.1歳)
(ここ10年で男女比のいびつ化も進み、顕著な6才以下では、男子1000人:女子914人、
これは将来、中国と同じ状況になりますね)

英語がある程度できる人(簡単な自己紹介、数が数えられる程度)はうち一億人くらいか、ということでした。

しかし!そんな馬鹿でかいこの国には、日本人はたったの4000人程度しかいません。そのうちデリーに2000人前後いるそうです。

僕が3年前初めてきいたときは3000人でしたからかなり増えてはいます。が、非常に少ないですよね。その国際的な重要度から考えても。ある意味でとても日本と距離のある国なのです。

◆ 09年のインドの名目GDPは約1兆2360億ドルで世界11位ですが、物価水準を考慮した購買力平価(PPP)ベースでは約3兆5260億ドルとなり、米国(約14兆2563億ドル)、中国(約8兆7652億ドル)、日本(約4兆1594億ドル)に次ぐ4位に既に位置。恐らく2012年には日本を追い抜き、BIG3に入ると推測されています。

法人税は30%ちょいと中国と同じ水準です。個人所得税は 累進課税制度で 最大税率も30%内外。実際に所得税を納税している人 は人口の10%程度のようです。

都市部人口 3割。農村人口7割。1人当たりGDPは1033ドル(09年時点)。でも都市部と農村部ではかなり開きがあり、仮に都市部の所得が平均1500ドルとすれば、農村部は半分くらいということです。

◆ 最も伸びている消費財産業は、携帯電話。世界でいま売れている10台に1台はインドなのです。総契約者数は約7億7500万人(2011年5月現在)。なんと毎月1900万人!!が新規加入しています。

キャリアは州によって免許を持っている企業が異なり足すと10数社あります。
1 バルティ・エアテル (singtelが大株主)
・ リライアンス・コミュニケーション 
・ ボーダーフォン・エッサー …が上位3社。
2,3位はいま激しいシェア争いをしています。
NTTドコモは6位のタタ・テレサービスシーズに26%出資(2460億円)しています。

◆ 平均的な中流世帯の憧れ消費は、
プロパンガス、カラーテレビ、だそうです。みんなクリケットと嫁姑ドラマを観るのに夢中だとか。

で、アッパーミドルな新富裕層は・・・
エアコン、電子レンジ、ノートパソコン、が欲しい!。
また、ビューティー、英会話、お稽古事、と、モノではなく自分への投資も都市部ではトレンドになってきました。  …頑張ってお金貯めてるんです。

◆ 円高そしてドル安は、リーマン以降、すごい勢いで進みました。
インドの通貨ルピーは、繁田さんがインドに進出した2008年はルピー・円で3円だったそうなのですが、いま 1ルピー 2円強です。けっこうなルピー安、円高はここでも進行しているのですね。

◆ インドはその分厚い内需が国を牽引しています。そして民間の国内資本が経済成長を牽引しています。タタ、リライアンス、、、、
GDPを項目別にみると、民間個人消費が全体の6割弱。なんと輸出比率は2割以下しかないのです。
中国やASEAN各国はここ10年どこも、輸出主導で経済成長しているのに対して、このインドは内需で生産のパイを広げてきました。方やこの国は国内で製造・調達したものを国内で販売しています。
(その典型が自動車産業といえそう。だってさ、これだけ売れているはずのマルチスズキとかタタのクルマって、これだけ隈なくASEAN各国回っているおいらでさえ、全く見た事ないもんね。)

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さて、夜もすっかり更けました。なんか窓の外は緑が多いです。
牛も山羊も公道を歩いています。クルマばんばん走っているのにのどかなムード。

あたりはまだ早朝だというのに、かなり熱を帯びてきました。
灼熱のデリー
が怖い。繁田さんからは「来る頃の予想最高気温は45℃だな…」と脅されてきているのです。

タージマハルTaj Mahal に着きました。
おお、どれだけ入口から本殿まで距離があるのか遠近感がよくわかりません。 

更に300m近寄ってみました。下のほうに米粒のような人間が見えます。どんだけだ。

でかい。

これ全部、大理石ですか。

ムガール帝国の王様が 2万人もの職人を集め、22年もかけて、作ったんですか。

美しい模様がすべて絵ではなく、大理石の組み合わせで出来ているんですね。

あつい・・。

ということで、タージマハルが最もよく観えるというバックパッカーの宿の、屋上で乾杯。